音楽配信が普及してもCDはなくならない!?
音楽業界関係者の間で良く読まれている「Musicman」という雑誌がある。よくある音楽系の雑誌のように、ただ単にCDのランキングやアーティストの横顔を紹介するのではなく、音楽業界で働くために必要な情報がギッシリ詰まっているということで評判が高い、音楽業界関係者なら誰でも知っている業界誌の一つだ。
その「Musicman」のウェブ・サイトMusicman-NETで、ちょっと興味深い調査レポートを見つけた。タイトルは、「音楽の聞き方アンケート06'」。このアンケートは、2006年12月4日~2007年1月8日にかけて、音楽業界人と音楽業界を目指す人間を対象に、音楽の聞き方について実施されたものだ。
僕がこのアンケート結果を見て面白いなと思ったのは、こと音楽の聞き方に関して言えば、CDが意外なほど健闘しているということがわかったから。
用意されている質問は全部で7問。①音楽の手に入れ方、②音楽の楽しみ方、③今後、増えていくと思う行動、④一番よく利用する有料の音楽配信サービスは?、⑤今年、携帯デジタルプレーヤー購入しましたか?、⑥今後、携帯デジタルプレーヤーを購入しますか?、⑦現在の音楽業界に足りないもの、必要なもの、望むこと (フリー回答)となっている。
この中で、僕が「あれっ?」と思った回答結果がある。それは、「音楽の手に入れ方」。「CDを買う」と答えたユーザーが、何と64.3%もいる。「レンタルする」と答えたユーザーの17%を含めると、約80%のユーザーが、音楽を手に入れる手段をいまだにCDに頼っていることになる。その反面、「有料ダウンロード」にいたってはわずか4.7%(無料ダウンロードは5.1%)。
この結果、僕にはちょっと予想外だった。もっと「有料ダウンロード」を利用しているユーザーが多いのかと思っていたから。少なくても二桁台を予想していただけに、意外なCDの健闘振りを目の当たりにして驚いている。
ただ、「今後、増えていくと思う行動」になると、「何も変わらない」と答えたユーザーが21.7%、「今以上にCDを買う」と答えたユーザーが21.3%、「CDレンタル」と答えたユーザーが7.7%と、30%近くも減少している。
その代わりに、「有料ダウンロード」と答えたユーザーが20.9%、「無料ダウンロード」と答えたユーザーが11.5%と、音楽配信が軒並み数字を伸ばしている。将来的に音楽配信が有望であることは、やはり間違いがないみたい。
それにしても今回のアンケート結果を見る限り、いきなりCDが市場から姿を消してしまって、音楽配信一色になるなんていう現象は起こりそうもないようだ。アナログが完全に市場から消えてしまっていないように。。。
■「Musicman」
http://www.musicman-net.com/