転職:5年経験して身につくのがキャリア
最近の12年間で9社経験している人間が言うのもなんだが、2、3年で転職を繰り返すのはマイナスだと思う。なぜなら、2年やそこらで転職を繰り返していると、本当のキャリアが身につかないから。技術や営業でもそうだが、どこかの会社で5年くらい修行するつもりで働いた方が、本当のキャリアが身につく。
5年働いていると、たいていはその会社の良いところも悪いところも経験できる。その経験が絶対に後々活きてくる。もしも勤めている会社の経営が怪しくなったとしても、それを経験しておくことも悪くないということだ。それを社員全員で乗り越えることができて、その中の一人になれたなら、それはもの凄い貴重なキャリアになる。
景気の良さそうな業界や企業ばかりを探して2、3年で転職するというのは、ちょっとお薦めできない。いざという時に役に立つキャリアが身につかないからだ。いいことばかりだけを経験しても、それは本当の意味でのキャリアにはならない。
実は、同じ内容のことを拙著「エンジニア35歳からの転職」でも書いているのだが、最近になって読者の一人から、5年経験しないと本当のキャリアが身につかないという部分を読んで転職を思いとどまり、それが結果として正解だったというお礼のメールをもらったので思い出したというわけ。
大学を卒業して入った会社をすぐに辞めてしまっても全然問題ない。大事なのはその後だ。2社目でも3社目でも構わない。35歳までに、最低でも5年間我慢できる会社で働くことだ。どこかで本当のキャリアを身につけておくことが、その後の人生に必ず活きてくる。
ちなみに、最近の12年間で9社経験していることを言い訳するつもりは毛頭ないが、初めて転職したのは35歳の時。それまでの10年間は一つの会社で働いていた。最終的に起業したわけだが、最初の10年間で学んだことが現在のベースになっている。
35歳を過ぎてからどうして2、3年でキャリアを変えているのかというと、残りの人生が短いからです。