SNSにふりかける成功の素（2）

（２）そのサイト、本当にSNSが必要ですか

SNSの開発をベンダーに発注する前に、頭を冷やしてもう一度良く考えておかなければならないことがある。そのサイトに本当にSNSが必要かどうか。。。

冷静になって自分のサイトに本当にSNSか必要かどうかについて考えてみることは、成功するSNSを立ち上げるために欠かすことができない条件の一つだ。なぜなら、必要もないSNSを立ち上げたって成功するはずがないんだから。これは笑い話でもなんでもなく、実際にSNS導入のプロジェクトに携わってきた人間だからこそ感じている、結構切実な問題だ。

かなり乱暴に極論すれば、SNSとはWeb 2.0時代のオンライン・コミュニテイ。実はそれ以上でもそれ以下でもない。基本的には、自分のサイトにユーザーを囲い込むことが目的だ。そして、最近はいろんなサイトがSNSを導入して、自分たちのサイトにユーザーを囲い込もうとしている。だけど良く考えてみてほしい。すべてのユーザーが、サイトに囲い込まれることを望んでいるだろうか。答えはNOだ。囲い込まれることを拒むユーザーだってたくさんいる。

サイトにSNSを導入することは、下手をすれば諸刃の剣になりかねない。メリットもデメリットもあるということを十分に把握しておかなければならない。

少なくとも以下の3点についてはだけは明確にしておく必要がある。
①そのサイトになぜコミュニティが必要なのか
②コミュニティがあることで期待される効果は何か
③ユーザー登録する手間に見合うだけの価値は提供できるか

一つでも明確な回答が見出せないのなら、サイトにSNSを導入することはまだ見合わせるべきだ。いままでサイトを訪れてくれていたユーザーから嫌われてしまう危険性をはらんでいる。単にユーザーの意見を吸い上げたいだけなら、ブログで十分かもしれない。

今年は相当な数のSNSとマッシュアップしたサイトが登場してくるはずだ。でも、成功するサイトはその中のほんの一握り。ほとんどのSNSは大した効果もあげられずに終わってしまうだろう。なぜなら、自分たちのサイトに本当にSNSが必要かどうか、ちゃんと考えていないサイトがあまりにも多過ぎるから。

SNSの開発やコンサルティングを請け負う企業側にも同じことが言える。開発を依頼してきたサイトにSNSが本当に必要かどうか、一緒になって考えてあげることが必要だ。いずれ消滅してしまうことがわかりきっているSNSなんて、立ち上げない方がお互いのため。

SNSに壮大な夢を抱いているお客を、現実の世界に引き戻してあげることもプロに与えられた重要な仕事の一つなんじゃないだろか。