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転職の際に妻を説得するためのキメ台詞

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先週、昔働いていた会社の部下だった人間から転職の相談を受けた。将来性あるベンチャー企業から内定をもらったので、転職を考えているという。彼がやりたかった仕事に就ける上、給与も少しアップするらしい。いい話だ。僕は彼に転職を勧めた。彼は仕事ができるし、まったく問題ないと思ったからだ。

ところが、浮かない顔をしている。理由を聞いてみたところ、奥さんが転職に反対らしい。いま彼が勤めている会社は、社名を言えば誰でもうなづく一流企業。たしかに反対されてもおかしくない。奥さんを説得させる特効薬がないか、僕に聞きたかったらしい。

「で、お前はどうなのよ。本当に転職したいの」と僕は言った。
「もちろんですよ。こんないい条件そうそうないし、自分の力を試してみたいんです」
「じゃあ、奥さんが反対したって転職すりゃあいいじゃん」

だいたい、奥さんに反対されたからといってやめるようじゃ、その転職ははじめから上手くいくはずがない。

「なんかいい方法ないですか」
「いい方法って?」
「伊藤さんって、10回くらい会社変わっているじゃないですか」
「8回だ。。。」
「すいません。。。それも、転職だけじゃなくて、独立してみたり会社作ってみたり、やりたい放題じゃないですか。よく奥さん何も言わないですよね」
これって褒められているんだろうか、返す言葉が見つからない。。。

「カミサンを説得するためのキメ台詞を教えて下さい。お願いします!」
真剣な目で頼まれた。僕は、頼まれたら嫌といえない性格。
「しょうがねぇなぁ。誰にも言うんじゃないぞ!」

「ええ、絶対に公言しません」
「奥さんの目を見据えてこう言うんだ。お前、毎日楽しそうに働いている俺と、毎日辛そうに働いている俺と、どっちを見るのがいい?」
「いつもそう言うと、奥さんは賛成してくれたんですか?」
「ああ、そうだ。今のところ100発100中」
「なるほど!いやぁ、やっぱり伊藤さんに相談してよかったです。今日帰ったら早速あいつに言ってみます」

いい話が聞けたからと言って、その昔の部下はご馳走してくれた。結構高級そうな居酒屋だったので気が引けたが、たまにはいいかなと思い、彼の申し出に甘えることにした。

ついさっき、その彼からメールが届いた。早速奥さんに話してみたところ、こう言われたという。「私はあなたが辛そうに働きながらでも、家族のために安定した生活費を入れてくれるのが一番なの」

僕はそのメールを見て、思わず納得してしまった。たしかにそういう考え方もある。最後に「どうしたらいいですか?」と書いてあったので、僕は「自分で考えろ」と書いて返信してやった。キメ台詞は、やっぱり自分で考えるしかない。割勘にするんだった。。。

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