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SNSが描く近未来

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昨日は、最後に訪問したお客様のところで、SNSについて2時間近くも話し込んでしまいました。相手がこちらの話を真剣に聞いてくれると、ついつい熱が入ってしまいます。予定していた制限時間オーバーなんてことは、珍しく何ともありません。SNSについて語りだすと、最近止まらなくなってしまうんですよね。本当は無口なはずなのに。。。

昨日、あるお客様との会話の中で、「SNSは最終的にどうなるのか!?」というような、とても格調の高いテーマーが話題に上がりました。そこで、今日はSNSの近未来についてちょっと考えてみたいと思います。

最近になって、ビジネスSNSというカタチで急速に企業に浸透し始めているSNSですが、実はSNSって、もう一つ他の顔を持っているんです。それは、ソーシャルメディアとしての顔です。

SNSはWeb2.0の中で、パーソナルメディアをソーシャルメディアに進化させるという、とてつもなく壮大で、そして重要な役割を今後担っていくことになります。具体的には、SNSはブロガーが発信する「個人(My)」の意見を、”ゆるやか”に「集団(Our)」の意見にまとめる役割を担っていくことになります。

ソーシャルメディアとしてのSNSは、「個人(My)」の自発的な意見の全体が、その他大勢の「集団(Our)」の意見となり、さらにまったく新しい付加価値を生む世界を目指しています。この時「個人(My)」は全体の構造を把握しておく必要はなく、自由に自分の意見を発信するだけでいいのです。なぜなら、ソーシャルメディアとしてのSNSは、「個人(My)」が自由に自分の意見を発信するだけで、「集団(Our)」として新しい付加価値(意見)が創造されると考えているからです。

ここで重要なのは、間違っても「個人(My)」の意見を強制的に統合するようなことだけはしないことです。パーソナルメディアとしてのブロガーの意見を集約し、ただそのデータをインデックス化するだけならば、何もSNSである必要はありません。SNSの価値は、強制的にパーソナルメディアを統合することにあるのではなく、あくまでもパーソナルメディアとして個人の意見全体を“ゆるやか”に包含することにあります。

このソーシャルメディアとしてのSNSのあり方は、個の自発的な行動が自然に全体の秩序を生み出すという、創発性の考え方に根ざしています。そして、このような創発性の考え方に根ざしているサービスは、他のWeb 2.0的サービスを見渡しても見当たりません。

では、なぜブログや他のWeb 2.0的サービスでは、ソーシャルメディアを創造することが不可能なのでしょう。それは、SNSだけが、他のWeb 2.0的サービスと違い、最初からコミュニティという個の集団としての特性と、それぞれの個の「顔」が見えるという特性を兼ね備えているサービスビスだからです。

ブロガーの発言が、マスメディアにとっても無視できない存在になってきていると言っても、それはまだほんの一部に過ぎません。パーソナルメディアとしての地位を確立しているのは、投稿した記事が多くの読者に読まれ、その発言がネット上の世論形成に大きな影響を与えている、アルファブロガーと呼ばれる一部のブロガーだけというのが現状です。その他大勢の「個人(My)」の意見が集団の意見として認められるようになるためには、パーソナルメディアがソーシャルメディアへと進化する必要があるのです。

ブロガー同士を結ぶネットワークとして、コミュニティ同士を結ぶネットワークとして、SNSはソーシャルメディアのインフラとしての役割を果たすことになります。

マスメディア、パーソナルメディア、ソーシャルメディアの3つは、いずれも同じ線上にあります。メディアの世界もまた、確実にフラット化しています。

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