音楽の世界では結構一般的なマッシュアップ
昨日は家に着いたのが夜の10時。それから食事をして風呂に入って、一人でマイルス・ディビスを聴きながらウイスキー(ニッカの「竹鶴」)をちびちび。飲み過ぎました。これまた一生の不覚。だって、マイルス・ディビスが凄過ぎるんです。マイルス・ディビスって、ジャズの世界にいち早くエレクトリックを導入した人なんですが、ジャズとロックを融合して独自の世界を創り出しています。最高です!それにしても、子守唄代わりに聴いたのが失敗だった。。。
このマイルス・ディビス、実は私のようなオヤジばかりではなく、若いリスナーにも人気があるんです。特にクラブDJや、ヒップホップ系のアーティストの間で評価が高く、マイルス・ディビスの演奏は度々サンプリングされたりマッシュアップされたりしています。どういうことかというと、マイルス・ディビスの演奏の一部を、他のアーティストの演奏や自分の演奏とマッシュアップ(組み合わせる)して、新しい楽曲に作り変えてしまうんです。リミックスと並んで、音楽の世界ではかなり一般的になっています。
つまり、最近Web 2.0で話題のマッシュアップっも、もともとは音楽業界用語だったのです。他人の良い演奏を再利用することで、短時間の内に新しい楽曲を創り上げる。マッシュアップされた方のアーティストにしてみれば、自分の昔の演奏が再び脚光を浴びることで、新しいチャンスが生まれます。
Web 2.0の登場によって、ソフトウェア開発の世界でもマッシュアップが脚光を浴びることになりました。Web 2.0の世界では、既存のサービス同士を組み合わせることで、新しいサービスを開発するという意味で使われています。マッシュアップが、ソフトウェア開発の世界で突然注目され出したのには理由があります。それは、コードよりももっと大きな、アプリケーションレベルでの再利用が可能になったからです。
ただ単にコードレベルでの再利用であれば、オブジェクト指向開発をはじめ、かなり以前からソフトウェア開発の世界にもありました。それこそ、いろんな開発方法論が存在します。でも、いずれも成功しているとは言い難いのが事実。最近は、ちょっと尻すぼみな印象があります。コードや設計レベルでの再利用だけでは、大きな生産性の向上が見込めないということがわかってきたからです。
ところが最近では、Google Maps APIのように、アプリケーションレベルでの再利用が可能になっています。異なるアプリケーション同士をマッシュアップすることで、新しいアプリケーション(サービス)を開発することが可能になっています。Web 2.0が提唱するマッシュアップは、他のアーティストの演奏と自分の演奏をマッシュアップして、新しい楽曲に作り変えてしまう感覚に非常に似ています。
音楽の世界ではかなり以前から使われていた手法であるマッシュアップが、ソフトウェア開発の世界でも、最近になってやっと浸透してきたのです。
マッシュアップ。一過性のブームで終わってしまわないことを強く願っています。