入れ歯を削って、痛みを取り除く治療を行ないました
»
「食事をすると舌が痛い」
患者さんの話を聞きながら私は緊張していました。
なぜなら60代男性Nさんは過去に舌ガンの手術をして舌の形が不整だったからです。
こうしたケースではいわゆる教科書どおりの治療では治らないことがあります。
現場での対応力が求められる難しい症例です。
舌の痛みは舌痛症といって、場合によっては大学病院での専門的な治療が必要になります。
しかし今回は入れ歯を見てすぐに痛みの原因がわかりました。
入れ歯の舌側が長すぎます。
とはいえ入れ歯はある程度の大きさがあったほうが安定します。
なのでこのくらいの長さの入れ歯を使っている人はいくらでもいます。
今回はNさんの「舌ガンの手術後」という言葉がヒントになりました。
舌の形が不整で動きも制限されるため、通常なら問題のない大きさでもNさんには入れ歯が長すぎて舌が引っ掛かっていたのです。
治療方針としては長すぎる入れ歯の一部を削って短くすること。
処置後に装着してもらうと「あっ、痛くない。これなら入れておけます」Nさんは笑顔になってくれました。
患者さんの話を聞くことの大切さをあらためて痛感しました。
西荻窪 いとう歯科医院 ホームページhttps://www.ireba-ito.com
SpecialPR