割れた入れ歯に、補強線を入れて修理した症例
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「入れ歯が割れた」Yさん(80歳女性)が持ってきたのは私の父が苦労して作った入れ歯で10年以上もメンテナンスを繰り返してきたものです。
Yさんは極端にアゴの骨が薄く、入れ歯と歯グキが当たる面に何回もプラスチックの裏打ちを貼り合わせて調整してきました。裏打ちの厚さが2センチ近くもあります。
ところが何かのはずみでヒビが入ると、ほんの少し力を入れただけで割れてしまいます。接着剤やプラスチックの補強だけで修理してもまたすぐに壊れてしまうでしょう。もし仮にこの入れ歯を一から作り直したら、その大変さは想像を絶するものがあります。なんとか強度をあげて、短時間で修理をしてあげたい。
そこで当院では少し手間がかかりますが、ヒビと直交するように溝を掘って補強の金属線を入れてプラスチックで埋めることにしました。そうすることで鉄筋コンクリートのように強度のある修理ができます。
入れ歯を預かって1時間半ほどで修理は完了。
「1回で終わりですか? 私はまた、何回も通うのかと思っていました」とおっしゃっていました。
一日で治療が完了したので、足が達者で杖も必要ないYさんは、明日からまた大好きな散歩が楽しめますね。
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