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「入れ歯専門の歯医者」が実際の症例と治療、治療に対する考え方を紹介する記事を中心に書いていきます。

要領を得ない症状を、破折した入れ歯の修理で解決しました。

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「最近なんか入れ歯が使いにくいの」
「なんとなく気になるのよ」

今一つ要領を得ない訴えをされる60代女性のNさん。
違和感があるのにうまく説明ができない時は、よく見ます。とにかく見ます。月並みですが「よく見る」という医療の基本が解決の糸口になることがあります。
このときも入れ歯を日にかざして、やっと原因が分かりました。細いヒビが入っています。少しひねるとヒビを中心に尖った部分が顔を出しました。1ミリ以下ですが噛むたびに口の中の粘膜を刺激していたのだろうと推測されます。

そこで歯科用のプラスチックを盛り上げてヒビを埋めると同時に厚みを増して壊れないように補強しました。
修理は15分ほどで完了。入れ歯をつけたNさんは「あっ、しっかり噛める」とおっしゃってくださいました。

「なんとなく違和感が......」といったハッキリしない症状でも必ず原因があります。その原因を解明するのが医師の役割です。これは歯科に限らず、たとえば内科でも「十二指腸から3センチ入ったところが痛い」とは患者さんは分かりませんよね。「なんとなくこのあたりが痛い」などと訴えるはず。

症状をうまく説明できなくても違和感を感じたらお気軽に相談にいらしてくださいね。

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