壊れた入れ歯を、プラスチックのプレートで頑丈につないで修理しました。

「人と話す仕事なので、このままだと困ってしまって」

入ってこられたのは６０代女性のＴさん。

左右の入れ歯をつなぐ金属の棒が壊れて入れ歯は真っ二つ。使えなくなっていました。
左右に渡る大きな入れ歯は金属の細い棒でつなぐタイプがあります。

違和感が少ないという利点がありますが壊れると修理が難しい。

細い金属は穴を開けたり溝を掘ったり、物理的に強化することができないからです。
とはいえこのような入れ歯でも修理は可能です。

細い棒ではなく、幅の広いプラスチックのプレートに変更します。

プレートの中に補強の金属線を入れて物理的な強度を増すことで、強く噛める入れ歯になります。

この方法なら修理したその日から違和感なく使えます。

新しく作り替えるとなると日数もかかるし、今までと同じように使える保証もありません。

型をとって一生懸命作っても、新しい入れ歯は口の中に入れてみるまで以前と同じような使い心地なるかどうかわからないのです。

当院が熱心に入れ歯を修理するのは、そんな理由があるからです。

今回は２時間ほどで頼りない細い棒から幅広いプレートで頑丈につながった入れ歯に修理できました。

初めは違和感を訴えていたＴさんでしたが、すぐに慣れて、１週間後、ずっと装着していて何でも食べられるようになったとに報告してくださいました。