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IT・ウェブ企業にも影響が及ぶ!120年ぶりに民法の契約法が改正へ。

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民法の契約法が120年ぶりに改正されます!

民法の契約法の部分の改正案が、今国会に提出される予定です。改正が実現すれば、なんと...120年ぶりの改正になります。

民法が定められたのが、1896(明治29)年...夏目漱石とかがいた時代...「細君」とか言ってた時代です。

さすがにこの間に、インターネットの普及などで、我々の生活が一変した...そんな時代に合わせるということで、今回の改正がなされることになりました。

参考サイト;民法(債権関係)の改正に関する要綱案

構想10年以上、議論6年以上の超大作!

この民法の契約法改正ですが、2006年ごろから話が持ち上がり、実際に議論を開始したのが、2009年11月。まさに、6年以上の議論を続け、やっと完成したもの...本当にハリウッド顔負けの超大作なのです。

なんで、こんな長い年月がかかったのかというと...我々の生活に、もろに直結するから。

例えば、皆様がコンビニでおにぎりを買います。これは、売買契約が成立しています。

また、家を建てるときも、業者との間で、請負契約が成立していますし、企業が他の企業に仕事を依頼するときには、業務委託契約(委任)契約が締結されます。

契約法は、消費者、企業が経済社会を営んでいくうえで、毎日関わってくるものなのです!そうすると、契約法を改正しましょうと言っても、大企業、中小企業、消費者団体、行政、裁判所、法学者、弁護士...色んな利害を持った人の意見を聞き、調整する必要があります。

そんな意見の調整(妥協!?)の産物が、この民法契約法の改正なのです!

企業は、どのような影響を受けるのか

では、今回の民法契約法の改正は、私たちにとっては、どのような影響があるのか。

今回の改正は、大幅に色々な規定が変わっているので、追々このブログでも話していきます。

本日は、一例として、「約款」についてお話します。

約款とは

よく「●●約款」といって、細かい字でびっしり書かれている書面を見たことがあると思います。今までの民法では、「約款」については規定がなかったため、形式や内容も、事業者が自由に定めることができました。

しかし、今回の改正では、約款の規定が新設されます。IT・ウェブ企業ではおなじみの利用規約も、この「約款」に入ります。

つまり...今まではある程度自由に定められていた利用規約についても、法的なルールができるようになったのです!では、利用規約などの約款が、実際にどのような影響を受けるのか...次回以降解説していきます!

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