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ホワイトプランが現場にもたらす衝撃

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ソフトバンクモバイルが1月5日に発表したホワイトプランに関するエントリーがいくつか出ていますが、どれもサービス内容に関するものなので、このエントリーではシステムの裏側についてちょっと考えてみようと思います。

ソフトバンクモバイルといえば、昨年10月末のMNPに絡んだシステム停止騒ぎを思い起こす方も多いと思います。あのときは、家族割りの利用者が他のキャリアへ転出(ポートアウト)しようとする際のシステム負荷が問題となってサービス停止に追い込まれました。

今回は、ポートアウトの問題はないと思いますが、既存ソフトバンクモバイルユーザのプラン変更が頻発するのではないかと予想します。ホワイトプランの内容は次の通り。

 基本料:980円/月
 通話料:(1時-21時)同キャリア同士無料 他社宛21円/30秒
     (上記以外) 一律21円/30秒
 パケット通信料:
  (3G→3Gへメール)無料
  (3G→2Gへメール)無料
  (上記以外) 3.15~210円/通
  (Web利用)0.21円/パケット

   ※無料通話・無料通信分無し
   ※パケットし放題に加入できる

普段携帯電話をあまり使わない人にはかなり魅力的だと思います。個人的には、ホワイトプラン+パケットし放題でキープしておきたいくらいです。

とまあ、サービス内容に関する話はちょっと置いておいて、ホワイトプランは間違いなく特定の層への訴求力が強く、サービスの申し込みには多くの問い合わせが発生するでしょう。私が今回気になっているのは、そのサービス対応に掛かる現場担当者の負担増です。

現時点で、ソフトバンクモバイルが抱える料金プランの組み合わせは、J-Phone時代から引き継いでいるプランも含めて、主要3Gキャリア内で群を抜いています。対Docomoや対auを意識して相手と同じメニューを揃えたブルー・オレンジプランを抱えているのですから、種類の多さは当然でしょう。

これだけ種類が多いと、サービス申し込みや変更を受け付けるシステムの負荷も相当なものです。おそらく契約処理が完了するにはかなりの時間を要するでしょう。そうなると全体で1日当たりに捌ける受付件数も少なくなります。その上、従来の契約との違いをメリットデメリットを示しながら接客対応をしなければなりません。システム負荷もかかり、現場負荷も増す。なんだかMNP直後の状況が頭に浮かんできました。また営業終了時間を繰り上げて窓口業務を終えてしまうのでしょうか。

ソフトバンクはサプライズを重視するために現場への情報連絡が遅れるといったオペレーションを軽視する傾向があるように思えます。ホワイトプランも今年に入って代理店に説明が流れたにも関わらず、サービスの受付は1/10からです(1/10訂正:正しくは、既存顧客が1/11より受付、一般は1/16より受付)。携帯電話事業者としてのサービスを存続させていくためには、現場の人間に負担のしわ寄せが起こる仕組みでは、どこかで必ずムリが出ます。もう少し運用部門からの声を聞いてあげてはどうでしょう。

ちなみに、ソフトバンクモバイルの端末は2年以上の割賦販売扱いだと記憶しているのですが、ホワイトプラン980円だと最新端末は一体何年間使い続けなければならないのでしょう
→(1/7訂正)申し訳ありません。スーパーボーナス特別割引と通常料金体系を混同していました。ホワイトプランはスーパーボーナスを適用できますね。

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