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ITILの変遷《ITIL/v2/v3/4》

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2019年2月にITIL4がリリースされてから2年が経過しました。ITIL4はビジネスとITの相互作用によって価値創出する仕組みを「サービスバリューチェーン」という形でモデル化し、プロセス単位の考え方から「バリューストリーム&プラクティス」に捉えなおしています。

もともと、ITILは1980年代に巨大ITインフラの安定化にフォーカスして生まれた方法論です。当時は「可用性管理」「キャパシティ管理」「継続性管理」「コスト管理」の4つで構成された、非常にシンプルなものでした。その後、ダウンサイジング化を背景にITの品質と効率性にフォーカスしたITILv2がリリースされ、世にいう赤本(サービスサポート)と青本(サービスデリバリ)の10プロセス(+1ファンクション)が日本でも広く知られるようになりました。2007年と2011年にはビジネスとの整合にフォーカスし、ライフサイクルという考え方に沿って26のプロセス(+4ファンクション)のITILv3に刷新され、現在最も多くの人がこのITILv3に基づくITサービス管理に取り組んでいます。

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しかし、ITILv3はプロセス単位のサイロ化された最適化に陥りがちであること、また昨今のリーン/アジャイル/DevOpsに適用しやすいモデルにするため、ITIL4として再編されたのです。私は以下の図のようにITILの変遷を捉えており、ITとビジネスの関係性が変わっていくところにITILの進化を感じています。

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今後はITIL4の考え方を概念と具体例の双方から解説する記事を投稿していこうと思います。

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