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情報格差などがもたらす情報社会の問題について考える

言語的マイノリティの情報格差

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情報格差のトピックスとして、今回は、あまり良く知られていない言語の面で格差が生じている例を紹介します。 日本には、実は言語的少数者(マイノリティ)が存在しています。私が知っている範囲では、以下の2点が存在します。  (1)アイヌ語  (2)日本手話 ※他にも沖縄地方で話される事が多い琉球語と呼ばれるものが有りますが、方言と見なす考えも有り、独立言語として確定していないため、ここでは、別として扱います。 アイヌ語は、北海道の一部のアイヌ民族を中心に使われていますが、アクティブスピーカーがわずか10人程度といった絶滅の危機に瀕しています。最近は、アイヌ語教室も開かれるなど徐々に増えて来ているようです。 日本手話は、日本語とは文法を異にする言語で、独特の文法を持っています。日本語の語順とは異なる順番で表示され、また、手指だけでなく、顔の部位の動きにも文法要素が有る視覚的言語です。 これらの言語的マイノリティが抱える問題として、以下があります。 (1) 社会的に孤立するため、情報格差が生じる。 (2) 生活用語としての日本語が不得手のため、社会的に不利な立場になる。 (3) 多くの人は、日本は単一民族であるが故に、日本語しか存在しないと誤解している。このため、言語的マイノリティの文化・価値観を誤解する場合がある。 (1)と(2)を論じる前に、母語と母国語の違いについて説明します。 母語は、幼少期から使われている人格形成に大きな影響を及ぼし、自分の感情などを伝えるのに一番良い言語、すなわち、第一言語です。 母国語は、出身国の公用語(もしくは使用言語)です。 多くの方は、母語と母国語が日本語と一致していますが、言語的マイノリティは、一致していません。 このため、言語的マジョリティと比較して、言語が不得手であり、情報が不足してしまい、格差が生じやすいことが多くあります。また、心理的な抑圧(ストレス)も多く生じ、いろんな面で障壁となっています。 (3)の例としては、「聾唖者達の沖縄戦」の例があります。 第二次世界大戦の際、日本語が使えない聾唖者たちに、スパイ容疑がかけられた話しです。 日常生活の中では、周りの人たちは、聾唖者として理解していて、助け合っていたそうですが、戦争の非常時下では、聾唖者のような言語的マイノリティに対する理解が不十分に行き渡っていなかったため、誤解が生じたそうです。非常時だと、どうしてもマジョリティ視点になりがちなので、このような事態が発生したのだと思います。情報格差が、マイノリティだけでなく、マジョリティにも影響を及ぼしているケースだと思います。 つまり、情報格差は、格差の下に居るもの、上に居るものの双方に影響がある可能性があるという事です。 情報格差にはいろんな人が気を配って欲しい問題だと思います。皆さんはいかがでしょうか?

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