本当の意味での情報格差
日本では、情報格差というと、デジタルデバイドのことを指すことが多い。
情報格差というキーワードでぐぐると、
情報格差──これから始 まろうとしている本当の格差社会(らばQ)
といったインターネットやテレビなどのデジタルメディアによる格差のことを取り上げている記事が目立つ。
もちろん、デジタルメディアによる格差はそれで存在しうるでしょう。
しかし、根本にあるものは何なのかということには案外目がいっていないことが多いのではないでしょうか?
まず、最近の家族構成の変化に注目する必要があります。
戦後、高度経済成長のころから、徐々に従来の大家族が崩壊し、核家族化してきました。それとともに、地域コミュニティが衰退の道を歩み始めてきました。
これによって、家族の中での会話、近所との会話が著しく減ってきました。
家族や近所との会話は、人間にとって生活上必要不可欠のものでした。
Face to Faceの会話は、インターネットやテレビとは違って、生の情報をもたらしてくれます。また、デジタルメディアでは伝えきれない表情や人間臭さを伝えることができます。会話による伝播は、本と同様にアナログメディアと言います。
コミュニケーションのウェイトがアナログメディアからデジダルメディアにシフトするにつれて、適応できない人が増えて来ています。同時に、アナログメディアを使いこなせる力も衰退して来ており、人間関係にストレスを感じたりなどにより、精神病を疾患する人も増えて来ています。
本来は、人間はアナログメディアを最低限必要としている。それが少なくなると精神的にバランスを壊してしまう。デジタルメディアが増長することにより、そのバランスを壊してしまうのが一番の原因である。
デジタルメディアの世界でメディアリテラシーを向上させるのも重要だが、アナログメディアを使うメディアリテラシーというか、これまで以上にヒューマンスキルを磨くことが、今後は必要になってくる。
端的に言えば、昔の良き日本を取り戻すことである。そのための取り組みがこれまで以上に重要になってくるはずである。