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「半沢直樹」の無い週末に振り返る -僕らは少年ジャンプを読んでいた頃の純粋な気持ちを忘れられないのだ-

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仕事なんてものは、真面目に向き合って真剣にやればやるほどに、キツくて辛いことに出くわしてばかりで、誰もが心のどこかで「なるべく楽で、無難にこなしたい」なんてふと思ってしまうのも仕方のないことだと思うんだけれど、どうなんだろう。

僕なんかは、大きな仕事を任されたときや役職が上がったりして仕事の責任が大きくなるにつれて、「仕事が楽しい!仕事大好き!」と純粋にのたまっていた20代の頃なんかを、つい遠い目で想いをはせてしまったりするのだけれど。

けれどその一方で、キツくて辛い仕事であればあるほど、「これをやり遂げて見せる」という決意めいたものが心に湧き上がってきて、モチベーションはぐんぐん上がってくるのも、また、真実だ。のめり込むほどに、シンドイ思いをするのなんて分かっているのに。そして、その仕事が終われば、また心のどこかで「次はもっとうまく、やってみせる」とか「もっと難易度の高い仕事をしたい」なんて気持ちが沸々と湧き上がってきたりなんかして。

「半沢直樹」はこの夏に、というより先週まで放送されていて、その爆発的なヒットを記録したテレビドラマであることは言わずもがななことだろう。

一介の銀行員である主人公「半沢」が、あの名台詞「倍返しだ!」に象徴される、立場や状況を顧みず正しいと思うことを貫く姿勢は、ビジネスマンなら誰もがスカッとした爽快感覚えたはずだ。

宿敵、大和田常務との対決はドラマを見ていた方なら皆、ハラハラとしながら気持ちを熱くさせたのではないか?

もちろん、ビジネスマンなら誰でも少なからず、自分の置かれた立場や状況を考え、上司の意向を汲みとり、組織の方針に沿うべく働いているハズだ。少しもこんな気持ちを持たないのなら、間違いなく仕事というのはまわらない。環境や周囲への配慮も、ビジネスマンとして当然有していなければならないスキルなのだから。

にも関わらず、このKYな「半沢」に心熱くさせられるのはなぜだろう。そこに描かれていたことを以下のように、列挙してみた。

  • 自分の信念を曲げずに真っ直ぐに行動する姿

  • 乗り越えるべき巨大な権力や悪、またはライバル達の存在

  • 熱い友情や困難を分かち合う仲間達

  • そして仲間の裏切りと和解

  • 一番の理解者である伴侶

  • 困難を克服しギリギリのところで勝利する姿

これをみて、僕は少年の頃に夢中になって読んでいた漫画雑誌「少年ジャンプ」を思い出した。毎週月曜日の発売日を心待ちにして読み漁った漫画の主人公達はいつも、先に挙げたような困難や喜びを、ハラハラさせながら、僕に伝えてくれた。

「キン肉マン」で悪魔超人達と戦うために力を合わせる正義超人達の姿を。

「ジョジョの奇妙な冒険」でディオに立ち向かう姿を。

「キャプテン翼」で、日本のワールドカップ優勝を夢みながら成長いていく姿を。

「北斗の拳」が、「男塾」が、「変態仮面」が、「ドラゴンボール」が、「スラムダンク」が、それを教えてくれた。心を熱く燃やすものは何なのかを、教えてくれた。

僕らはもう大人になってしまったけれど、少年ジャンプが教えてくれた、心を燃やすべきもの、大切なものを今も未だ求めているのだ。

「半沢直樹」はビジネスの世界を舞台にして、それらのファクターを僕らに突きつけることで、僕らオッサンは我がことのように夢中になってしまったんだと思うのだ。

<了>

正林俊介

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