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【クラウドへのシフトを財務視点で考察すると本質が見える気がする】

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皆様こんにちは。鈴与シンワート株式会社の正林です。

いまさら「クラウド」を語るのもどうかと思いつつ、厚顔な自分は気にしないヨ、って。

で、クラウド型のシステムについて従来との違いを説明する際、サービス提供ベンダーの説明は

「システムを所有するのではなく利用する」
「機器やアプリケーションの維持運用の負荷を抑えられる」

大体この2点について語ることがほとんどで、他に言うことねぇのかよ、と思うくらい同じセリフばかりである。
確かにこの説明は正しいんだけどさ、だから企業として投資タイミングとしてイニシャルなのかランニングなのかというキャッシュの使い方が違うってことでしょ?
それって要するに何なのさ、経営の中でその意義は何なのさ、って自分はいつも思っていたのである。

しかしながら、自分もグチグチ言うだけではすまない身分。なぜなら、当社はサービスを提供する会社に所属するわけであるからして、暇にまかせて、風にまかせて、このテーマについてまじめに考えてみたのです。

で、自分はついに気がついてしまった。

「クラウド・サービスを財務視点で見てみるとその本質が見える」

のでは?と。クラウドの言う、「所有から利用へ」或いは「維持運用負荷の軽減」は何をもたらすのか?

すなわちこれ、従来のSIサービスは「貸借対照表(B/S)」的な分類へ、クラウド・サービスについては「損益計算書(P/L)」に、基本的には計上されるべきモノ。
つまり「所有する」SIサービスは、システム稼動に必要なサーバ機器、PC、アプリケーションなどを購入するため、基本的には資産として分類される、「ハズ」である。つまり会計処理上は資産計上されて、減価償却していくことになるわけであります。

振り返って、「維持運用負荷を軽減する」クラウド・サービスは、管理或いは原価コストすなわち「販管費や一般管理費」といった勘定科目に計上されるもの。言い換えればこれによって事業を行っていく中での原価構造を変えるということになるのである。
※会計上の分類は、その処理の仕方によって異なる場合があります。上記は、本質的な意味合いとしての分類方針となります。

「へっ、だから何なのさ」という無かれ、誤解を恐れず表現するならば

● B/Sとは、企業の資産や負債などを明示するもの、すなわち「体力・守備力」を示すもの
● P/Lとは売上や利益、そしてその収益性や原価構造を明示するもの、すなわち「攻めの力」を示すもの

であると言えると思うのです。
クラウド化へシフトしているということが意味するのは、“ITシステムに関して企業は、攻め・守りの位置づけの転換を行う”といった経営上の戦略転換に通じちゃうのではないか。
つまりクラウド化を進めていくことでITシステムに関する意味合いに、大きなコンセプト転換を起こしちゃうちゃうのである。

あがが、なんて壮大な・・・って、では、

● なぜクラウドが求められるのか?

というと、先の考察を踏まえれば、クラウド・サービスは、B/S上のインパクトを減らすことになるのです。
これは、何を意味するのか?自分の陣地へ堅牢な城郭を構築するのではなく、変化に応じて身軽でフレキシブルに対応するための、云わば環境に対する「守り」の選択をしていると思うのであります。
では、更に

● なぜITシステムの位置づけを「攻め」から「守り」へ転換するニーズが多くあるのか

これは、経済状況に安定した見通しを立てにくいことや、ビジネスのスタンダードがスピーディーに変化するからに他ならない。
また、グローバル化が進む中で、従来の市場やプレイヤー達との競争だけでは勝ち残れないという環境面の変革も「身軽であることの必要性」を後押ししていると考えるのです。

要するに、企業は大きな投資が却って「中長期的には足かせになる」ことよりも、より身軽さのあるクラウドが注目されているのだと思うのです。

企業はより、効率的でスリムな事業構造や組織構造への転換を志向している。

● コア事業への効果的投資やオペレーションを簡素化し、スリムな体制で売上や利益を確保すること
● 経営の方針決定にスピーディーに対応可能な業務プロセス確立の必要性

このふたつが潜在的モチベーションとして存在しているのではないか。
それこそが、クラウド化への変遷を誘引している最も大きな要因といえるのではないか、と財務視点から考察してみるとわかる気がするのです。

<了>

-正林 俊介-



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