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オープンソースとは

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日本ではオープンソースに付いて大きな勘違いをしている会社が多い。オープンソースとは、ただ自社で作成したプログラムのソースコードを公開することではない。これではメリットがそんなに無いからである。

先日、会社にLiferayに付いて電話が掛かってきた。どうやら教育などを受けても、本番環境に導入しようとしたら、思うように動作しないとのことである。ここまでは普通の電話なのですが、相手は会社に仕事をお願いする予算がないと言う。それでは一回ぐらいの勉強会でもっと話したら、それもいやなそうである。どうやら自分が担当している仕事を無償で手伝った欲しいそうだ。どうやら、自分中心に世界が動いていると思っているらしい。会社としても、個人的にもこのような要求には応じられないと伝えたら、それでは自分が担当しているプロジェクトは納期に納めることができないので困る言い、どのようにしたらよいのか聞かれた。このような問題は自分の上司と相談するように伝えて、終わりにした。

後で考えて見ると、どうやら日本のオープンソース文化にはこのような勘違いをさせる要素が含まれているとも思える。オープンソースをただソースコードを無償で利用できるように公開すると思っている人が多い。なぜ、オープンソースなのか、なぜオープンソースコミュニティに参加するのかを充分に理解していないからだと思う。

先ず、オープンソースで重要なのは、コミュニティである。多くのコミュニティに参加したり、作成したりすることで、自分の資源(予算や時間など)でできないことを多くの人でできるようにすることである。ソフトウエアを一人で開発して、一人で販売しても、時間と予算が限られているので成功する可能性は低い。1社で開発した場合では、開発者数名で開発することはできるが、今のソフトウエア市場ではそれでも競争力があるソフトウエアを開発するのは難しい。

オープンソースは各自が少しづつ時間と予算をコミュニティに貢献することで競争力のあるソフトウエアを開発する仕組みである。自社で作成したソフトウエアのソースコードを公開してもコミュニティは作成できないし、オープンソースにするメリットも薄いと思う。

反対に、オープンソースプロジェクトが正しく運営されると、限られた各自の資源で良いソフトウエアを短時間で開発/維持することができる。

今からの時代は、もう自家開発したソフトウエアは競争力がそんなにありません。オープンソースを利用した簡単なプログラムを自社で作成したも、直ぐにオープンソースコミュニティがよりよい同等の機能をコミュニティで作成します。

今からは、各社から数人がオープンソースコミュニティに参加して、必要な機能をできるだけ安くかつ早く開発する必要があると思います。社内で数名で開発する時代から、コミュニティで数百名で開発する時代に日本のソフトウエア産業も変わる必要があると思います。オープンソースをただ利用する時代から、オープンソースコミュニティにもっと積極的に参加して、使えると評価するのではなく、ソフトウエアを使えるようにプロジェクトを動かしていく必要があると思います。

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