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会社がなすべき当たり前のこと、人がなすべき当たり前のことでありながら、多くの人ができていないことを、いかに行うかを考えるきっかけになればと思います。高杉晋作の辞世の句でもある「おもしろき こともなき世を おもしろく」をブログ名に、日々普通に起こっている会社や社会での出来事を、いかに考え対応すべきかという視点で書いていきたいと思います。

人事制度は強気に、そして意志の共有を!~誰でもできる会社の変え方~その6

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会社を変えるために人事制度は欠かせない。

人事制度の中でも重要なのは給与制度である。
中小企業のほとんどは信じられないことに、
鉛筆ナメナメ、つまり、経営者、もしくは、責任者の思い込みだけで、給与を決めている。
酷い場合は、ゴネ得を許してしまう会社もある。

例えば、こういう年俸交渉のケースである。。
社長:「来期はこの年俸でお願いします」
社員:「これでは、私はできません。転職を考えます」
社長:「ちょっと待ってくれ!いくらなら、いてくれるんだ?」
社員:「あと10万ぐらいあげてくれれば」
社長:「わかった!」
これは間を端折って書いているが、
大方こんな感じで交渉は推移する。
社員は転職する気などサラサラなく、ゴネれば通ることを十分承知で言っている。

こういうことを許せば、飛躍的に社員の給料はあがっていく。


では、どのように人事制度を構築すべきか?

まずは、社員がやりたいことを会社が把握することである。
それは会社の仕事の中でのやりたいことである必要はない。

例えば、レストランを営む会社であっても、
従業員の中には、将来はアパレル会社を作りたい!と考えている人もいるかもしれない。
また、車が欲しいとか、たくさんお金が欲しいとかいう志の低い(?)ことを言う者もいるかもしれない。
社員は千差万別、やりたいことは何でもいい。
個々の人間の考えることなのだから当たり前だ。
それらのやりたいことと、仕事を結びつけてあげることが重要だ。
アパレル会社を作りたいという社員には、
「では、うちの会社で経営を学ぼう。会計も学べる。マネジメントもこうすれば学べる。がんばろう!」
とでも言えば、今やっていることとやりたいことが一直線につながる。
また、お金をたくさん欲しいという社員には、
「こういうことができれば、給料があがる」
と言ってあげればいい。
「そうなれば、今のままだと車を買うのに7年かかるけど4年で買えるよね」
というところまで一緒に考えてあげればいい。

まずは社員のやりたいことと今やっている仕事を結びつけることが大事だ。
その上で、長期的・短期的目標を共有していくことが、社員の成長にもつながる。

給与制度では、冒頭に書いたようなゴネ得など絶対に許してはいけない。
社員には、これで了承しないなら辞めてもらって結構という姿勢でいなければならない。
会社は、誰が抜けようが、そんなに影響があることなどない。
どの会社でも、この人だけは!という人はいるだろう。
しかし、その人が抜けても会社は続く。何とかなる。
そう思ってしまえば、何とかなるのだ。

また、給与は一人の上司が決めるような制度は避けたい。
3人ぐらいで一人の社員を評価し、それが給与額に反映されるような制度にすることで、
「評価の客観性」
「制度への信頼」
「ゴネ得などの私的関係性の排除」
などなど、プラス要素がかなり増える。

上記の面談を行なって、意志共有ができ、
給与制度への信頼が確立できれば、
ゴネだす社員も少なくなっていくはずだ。
会社が自分たちのことを本気で考えてくれていることを理解していくからだ。
逆に、会社も、雇った以上は、彼らのことを本気で考えていかなければならない。

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