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音楽ケータイの音質やいかに?

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 日経新聞の週末折り込み別冊「Nikkeiプラス1」の名物企画「なんでもランキング」の今週号は、音楽プレーヤとしての携帯電話をまじめにランキング調査しています。使いやすさと音質の両面において、それぞれの専門家が評価、点数を入れ、それを集計した結果がランキングとなっています。

 私はノートPCやデジタルカメラに続いて3回目だったかな……カラープリンタも投票したかもしれませんが、飛び飛びなので厳密には覚えていません(日経新聞には本紙の新製品比較ページへのコメントや、日経産業新聞での採点などもあって、それぞれ異なる切り口のコーナーながら、製品比較という意味では同じなので混同しているかもしれませぬ)が、今回は音質評価ということで参加しています。

 投票するメンバーは使い勝手評価の方が人数が多いので、評価の重心は音楽ケータイとしての使い勝手に置きつつ、そこに音質という評価要素をスパイスとして組み合わせたものと言えるかもしれません。

 音質評価は僕もよく知っている麻倉さん、潮さん、そして一緒に仕事はしたことはありませんが、村瀬さんというAV業界でよく知られた評論家をあわせ、4人が参加しています。

 今週いっぱいはランキングがリンク先に掲載されていると思いますが、トップはドコモのP905iTVでした。……が、音質だけの評価ではソフトバンクの920Pが一番高い評価だったそうです。

 実はこのランキングに掲載されていない製品も含め、およそ40ぐらいの機種を聞き比べましたが、私の評価でも920Pが一番です。個人的に使っているドコモのP905iも試しに聴いてみましたが、920Pとよく似た音でした。

 まぁ、あくまでも携帯電話の中での比較なので、絶対評価で音がすばらしいというわけじゃありません。しかし、920P(P905iも)は中高域のカタさが少なく、なめらかで聴きやすい音の質感と、周波数レスポンスのバランスが良いため、音楽用としてもそこそこ使えるとは思います。

 ちなみにランキング外で名前がNikkeiプラス1に掲載されていないため、ここでも書くのをやめておきますが、中にはとても音楽を聴けたもんじゃないぐらい、ひどい音域バランスのものもありました。おそらく、開発段階で一度も音を聴いてみよう、なんて発想をした人がいなかったのでしょう。一度でも、安物のイヤホンでも音を聴いていれば、こんなことにならなかったんじゃないかなぁ....と思うものが二つありました。

 ランキングトップになったP905iTVも同じ松下製ですが、少しだけ高域がキツく、S/N感も悪かったため次点。ほかにはドコモ、ソフトバンクのシャープ系端末が整った音を出していました(スマートフォンライクなキーボード付きのモデルはのぞく。あれはちょっと厳しい音でした)。

 もっとも、ケータイを購入する際に、音楽を聴くための音質を重視しているのか、個人的にはやや疑問なところもなきにしもあらず。音質が良くともバッテリ持続時間や操作性に難があれば良いとは言えないでしょうし、その逆も真。

 ところで、ケータイの音質に関して、次のような傾向もありました。

  • auの端末(すべてWINでした)は、総じて似た音がします。特にW6x系は、本当にどれも同じような音です。ランキングでは上位にきていますが、これはau系端末の音楽機能が使いやすいためで、音質に関しては「ものすごく悪いわけじゃないけど、決して良くはない」といったところ
  • ドコモの端末は、メーカーによるばらつきが非常に大きく、同じメーカーでも真逆の傾向(あるモデルの低域が過多かと思えば、同じメーカーの別モデルはキンキンに高域がうるさいなど)を示すことがある
  • ソフトバンクの端末はドコモの端末と基本的に同傾向

 おそらく、これらの現象は使っているチップの違いなどが大きいのかな?と想像しています。つまり、auの同世代の端末は、どれもソフトウェアやオーディオデコード、出力まわりの設計が、どのメーカー製でも同じなのでしょうね。

 と、長文を書きましたが、個人的にはケータイとは別に音楽プレーヤを持った方がいいのではないかと思います。それは音質面での話もありますが、使い勝手やバッテリ持続時間のことを考えれば、現状はトータルで携帯音楽プレーヤの方が優位だと思うからです。

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