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不覚にも泣きまくってしまった週末

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 世間ではお盆休みの週末。我が家はかみさんが実家に帰り、久々の独身生活……ですが、ひとりで仕事をしていると、ご飯を食べるのが面倒くさくなってくる。もしかして、これはすごく良いダイエットになるのだろうか?と馬鹿な事を考えつつ、仕事をしておりました。
 が、仕事と言っても普通の人には遊んでいるように見えるかも?
 ひとつは某デジカメサイト向けの記事の仕上げ。
 もうひとつはITmedia Lifestyleでの小型オーディオ機器試聴(別途、記事となる予定ですが、中には本当に侮れない価格にそぐわぬすばらしいアンプがありました)。
 最後に月に3本づつ書いている某誌DVD紹介記事を書くためのDVD鑑賞です。が、今月は大当たり。担当した作品すべてがすばらしい。かみさんが家にいないという安心感もあってか、不覚にも3本ともで泣いてしまいました。
 ということでこの3本、レンタルで借りて見るのもよし、もしくは買ってみるもよし。いずれにしても超オススメです。

 

オペラ座の怪人
 言わずと知れた超人気ミュージカルの映画化。オペラ座の怪人の原作者であるルルーは「黄色い部屋の秘密」を書いた事で有名な推理小説家ですが、この原作そのものはたいして評判は良くありません。以前に映画化されたものは完全なホラー作品で、ミュージカル作品のコイツとは無関係。ところがミュージカル劇になったとたん、すばらしい作品になりました。
 とにかくアンドリュー・ロイド・ウェーバーの音楽がすばらしい。映画の冒頭から映像と音楽がグググッっと観る者を引き込み、決して離そうとしない。ヒロイン役のエミー・ロッサムをはじめ、主役3二人はすべて吹き替えなしで歌いますが、これがみんな上手。怪人役の歌は、ちょっとロック調で期待はずれと感じる人もいるかもしれませんが、これはこれで味がある。
 原作にひねりはありませんが、音楽と映像は本当にいいですよ。冒頭のオペラ座が現れる場面などは、プロジェクタのベンチマークに使えそうな映像。音の方も5.1チャンネルシステムを持っている事がうれしくなるようなクオリティです。
 僕自身は今後、機器試聴用のリファレンスとするためにアマゾン購入予約を入れましたが、実はレンタルでもかなり楽しめると思います。レンタルものは画質や音質がイマイチな事があるのですが、オペラ座の怪人に関しては映像が同じ事はもちろん、音声もドルビーデジタルとDTSの両トラックが入るそうです(DTSが入っているのはめずらしい)。

 

ネバーランド
 ピーターパンの物語が生まれた今から100年前。その原作者ジェームズ・バリと、ピーターパンのモデルとなった家族との出会いや交流を描く人間ドラマ。物語をシンプルに捉えすぎると、なにやら詰まらないストーリーになるかもしれませんが、言葉にならない心の動きをジョニー・デップ扮するバリと、ピーターを演じる子役の演技から読み取れれば、泣ける事間違いなし100%の作品です。ジョニー・デップのすばらしさは言うまでもありませんが、ピーター役の子役は、本当に天才的。
 また鮮やかな緑が映える映像もすばらしく美しい。内容に関してあまり多くは語りませんが、悲しさ、切なさ、暖かさ。いろいろなものが詰まっています。この映画を観ると、ピーターパンという劇に対する見方も少し変わるかも?

 

パッチギ !
 井筒監督のファインショットというか、こんなにいい映画を撮る人だったのね、と妙に感心してしまった。1968年の京都。学生紛争、グループサウンズからフォークへの移り変わり、ベトナム戦争、ヒッピーなどの時代背景をバックに、日本人高校生と朝鮮高級学校に通う在日朝鮮人との間に起こる様々な出来事を時に激しく、時に切なく描く。
 実際に見るまでは重たいテーマをどのように料理するのか?と思っていましたが、ググッと核心に迫りながら、当時の時代をリアルに描き、さらにはコミカルなエピソードをほどよく混ぜて、とても後味の良い作品に仕上げています。
 泣き所は2カ所。在日1世に主人公(日本人)が問いつめられるシーン。そしてその主人公がラジオ番組で「イムジン河」を歌うシーン。監督の”泣かせてやろう”的な意図がビンビンに感じられるシーンですが、もう為す術なし。はい、泣きました。僕の負け(?)です。

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