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一人で静かに考える時間を大切にしたい。「考えの整頓」を読んで

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一人で静かに考える時間を大切にしたい。大勢の中にいても、ふと心の中に静けさが生まれ、ゆっくり、長く、考え続けられる時間を持つというのは大切なことだ。事後であってもいいと思う。

この本の面白いところは、佐藤氏が日常ふと感じたことを自分の心になぜそう感じたのかと問いかけ、辛抱強く問いを繰り返し、自分なりに納得する答えを導くという、とても平穏な解決方法をとっているところだ。

おそらくそのためか、この本を読んだ人は、読みながら静かな風景を思い描くのではないか。

Photo
考えの整頓
佐藤雅彦(著)、暮しの手帖社刊行

佐藤氏のような思考方法を一般的には何と呼ぶのだろうか。禅問答のようでも思えるが、私は禅問答のことをよく知らない。

人は、多くの人ではないと思うが、自分の思考の枠組みを変えようとするときに、一つの事象に深く入り込んでいく場合もあれば、数多くの事象を並べていわば高いところからものを見るようにする場合もある。後者の場合は、目と対象が離れて、構造的に客観性が保たれる。前者の場合は、主観と客観が入り交じる。客観のほうが正しいと思っている訳ではないが、自分の気づきが他人の目から見ても同じ気づきであるとは限らないという自制心が必要になる。いわゆる独りよがりと紙一重のところで展開される。

佐藤氏はこの独りよがりスレスレのところで面白い思考を展開しれくれている。

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謝辞

私にこの本を紹介くださった小林正明さん、ありがとうございました。
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