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「ハリポタ」監督の明日はどっちだ?

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 ファンや評論家の評判もよく、興行成績もよい「ハリー・ポッター」最終章。端役の不祥事はあったものの、ここまで事故なく出演し続けた主要キャストたちもエライが、この映画で株を上げたのは、なんといっても最後の4作を監督したデヴィッド・イエーツだろう。この人は、「ハリポタ」以前は無名の英国のTV監督。大作映画はこのシリーズが初めてだった。

 なので、「ハリポタ」の撮影完了と同時に映画ファンが注目したのは、この監督の次回作。もちろん、こんなヒット作の監督だから、さまざまな作品が噂になった。スティーブン・キングの同名小説を映画化するサバイバル・ホラー「ザ・スタンド(The Stand)」。「インセプション」で注目を集めたトム・ハーディがアル・カポネを演じるギャング映画「キケロ(Cicero)」。そして、ファンタジー・ファンがもっとも注目したのは、大人向けコミックレーベル、ヴァーティゴのカルト・コミック「おとぎ話」Fablesの映画化企画。これは白雪姫や赤ずきんちゃんの狼など、おとぎ話や民話の登場人物たちが自分の正体を隠して現代のニューヨークに住んでいて・・・という大人版「シュレック」なストーリー。この中では「ハリポタ」にいちばん世界観が近いのがこの作品だろう。

 が、これらの作品は「次の次の作品」にはなるかもしれないが、次回作は別の作品に決定したらしい。しかも、世界観はガラリと変わり、なんと次は戦争映画だそう。第二次世界大戦下の1942年、フランスの港サン・ナゼールでの英国海軍の奇襲作戦を描く「サン・ナゼール」St. Nazaire を撮ることになった。スタジオは「ハリポタ」と同じワーナー・ブラザース。かなり大作になりそうだ。

 なるほど、考えてみればこの監督、別にファンタジー畑の監督ではなく、「ハリポタ」前に撮っていた「ステート・オブ・プレイ 〜陰謀の構図〜」も「セックス・トラフィック」も、社会派サスペンス。逆に、この人のそういう資質が、後期の「ハリポタ」のリアルな大人向きテイストに合っていたのかもしれない。

 この監督の手腕が真に問われるのは、途中からバトンタッチした人気シリーズではなく、その次の1作。そこで自分の本来の路線に戻りつつ、しかも大作エンターテインメントという枠はそのままで、さらにモチーフは昨今の流行の合わせたのが、この次回作ということか。デヴィッド・イエーツ監督、かなりやり手ですか?
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