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不毛な会議に陥らないための6つのルール

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会議というのは、おそろしくコストがかかっています。場所と人と時間が、その会議でいっぺんに費やされるわけです。

さらに、生産性の悪い会議というのは、果てしなく疲れます・・・。生産性のわるい、不毛な会議はコストだけではなく、メンバーのモチベーションさえも下げてしまいます。

会議のマネジメントは、それだけでも一冊の本になるぐらい、たくさんの方法論がありますが、基本的なポイントは多くありません。いくつかのポイントをおさえるだけで、かなり生産的になります。

  1. 会議の必要性をうたがう まず、本当に会議をする必要があるのかを疑ってかかりましょう。会議はコストの高い手段です。単なる報告なら会議でなくても、メールでも構わないはずです。気をつけなければならないのは「定例化」された会議です。定例化すると、その場に必要のない人まで必ず出席しなくてはならなくなります。「まず会議」ではなく、ほかの手段も考えてみましょう。
     
  2. 議長と進行役を分ける 議長と進行役が同じだと、議長の独壇場になってしまいがちです。話されるべきことではなく、議長が話したいことを話してしまう。しかも、議長はたいていエライ人ですから、途中で止めにくい。ですから、議長と進行役はわけた方がいいのです。議長が発言するときも、進行役に「ちょっといいか」と断ってから話をする。
     
  3. 議論と決定を分ける 会議の目的には大きく「決定」「報告」「議論」の3つがあります。よくあるのは、決定のための会議なのに議論してしまうことです。議論が必要なら、そのテーマは十分に煮詰められていないということです。それが悪いわけではなく、決定の場に持ち込むのがダメなのです。そんなときは別に議論する場をもうけるほうがいい。なぜなら、決定の会議に出ている人の多くは議論には参加しないからです。
     
  4. アジェンダをつくろう アジェンダとは「議題」のことです。アジェンダを作らず、資料だけ出して「口頭で補う」という人がいますが、かなり迷惑です。本人も話のポイントが整理されていないからです。同じ会議のなかで「報告」「決定」「議論」があるなら、アジェンダの項目も分けておくといいでしょう。アジェンダに書いておけば、「これは報告です」「これは議論したい」ということがわかります。
     
  5. 終了時間を守る 会議はたいてい長引くものと相場は決まっています。終了時間が設定されていても、誰かが話していれば終わらない。これも進行役がいないことの弊害です。終了時間が守られなければ、それぞれが話したいことを話しはじめます。そうならないためにも、つねに終了時間は必ず守るようにする。会議は終わらせるために始めなければなりません。
     
  6. 問題と人を分離する 会議が長くなるのは、説教が入ったり、価値観の違いの議論になるからです。「だいたいそういう考え方はどうなの?」「そんな考え方ではうまくいかない」そんなことはどーでもいい!会議は価値観を戦わせる場でも、説教する場でもないのです。会議は「テーマ」について話し合う、決める場です。進行役は「いま議論しているポイントはどこですか?」「何が問題ですか?」を問いかけるようにしましょう。説教は会議のあとでやってもらえばいいのです。

会議はコストの高い手段ですが、なくすわけにも行きません。場を共有しないとできないこともあるからです。同じ会議をするなら、生産的で、モチベーションの上がる会議をしたいものですね。

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