分かりますか? 利益 = ○○ ー ○○ 〜将来、リーダーになりたいエンジニアなら知っておきたい常識〜
昨日に引き続き、オープンワークショップでお話しした部分に触れていきます。(昨日のブログは、こちら)
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「儲ける力」の計り方に触れる前に、少し、”ことばの整理”をしておく必要があるかと思います。
そこで、80万円の製品を現金で仕入れ、100万円で現金で販売したとします。20万円が現金として、手元に残りますので、儲かったということになるでしょう。
20 = 100 ー 80
ですが、「 」 = 「 」 ー 「 」 とすると、この空欄には何を入れればよいのでしょうか? ぱっと思いつくと、利益、収入、原価、売上、価格・・・といろいろ出てくるかと思います。
会計の中では、「利益」=「収益」ー「費用」と定義します。収益と収入は違いますので、エンジニアの方が経理マンもしくは生産技術の原価管理担当と話すときには、注意いた方がいいです。(ちゃんと使えば、「(おっ!わかってるね!)」と思われますし、使い方を間違えると「はい、はい・・・(こいつ、ぜんぜん知らねぇじゃん・・・)」となめられてしまうかもしれません。)
今回、「儲ける力」の計り方としてテーマアップしていますが、基本的な経営分析なるフレームがあるので、多少、触れながら進めてみます。
企業には、経営の結果として、また、その資源として、定量的に把握できるものもあれば、定性的でなかなか物差しで計ることが難しいものもあります。両方をもってして、企業はその資源とし、競争優位性もしくは、コアコンピタンスを形成していきます。
今回触れる経営分析なるフレームでは、その中で、定量的な値である財務諸表(特に、主として損益計算書・P/Lと貸借対照表・B/S)を見ていきます。(無論、細かな話になってはしまいますが、生産性など分析しようとすると、従業員数などで切り刻んでいくこともあります。)
また、分析の主体、つまり、誰が何のために経営分析するのか?によって、多少、見方も変わってきます。財務諸表は、ある意味で経営者の成績書でもあります。自分の成績書を見直すことで、自社のこれまでの経営を振り返り、今後の戦略策定のために用いることもあるでしょう。(内部分析を行うことを指します。)
その反面、ある企業に融資/投資している場合、その企業の現状の支払い能力や今後の成長性を見極めなければ、場合によっては、折角投じた大事なお金が水の泡になってしまうこともあるでしょう。(外部分析を行っているわけです。)
自社内で、経営分析をしようとすれば、自社の財務データは経営者(経営分析しようとする人)は入手できることと思います。昨年、一昨年と比べてどうなのか?今度、どのくらい見込んでいるのか?など、期間として比較することとなりますので、期間比較法と言ったりします。
が、他社と比較しようとすると、これは結構やっかいです。競合他社の財務諸表は簡単には入手できません。仲のいい友達であれば、学期末の成績書を見せ合いっこすることもあるでしょうが、クラスの多くの友達どうして、成績書をつきあわせることは、やっぱり躊躇してしまうでしょうし、給料明細であれば、もっと、見せ合いっこはしないことと思います。
結果として、銀行や民間調査会社、シンクタンクなどに依頼して、同業他社の平均値/中央値を比較することとなるでしょう。このような場合、標準比較法などといったりもします。
そこで、今回のビジネスゲームの結果として、「利益」について、眺めてみます。
利益といってもたくさんあり、ゲームの結果としては「売上総利益」「営業利益」「経常利益」が見て取れます。
ざっとみてみると、売上総利益→営業利益→経常利益となるにつれて、毎期および各社の利益の幅が広くなっているように思えます。売上総利益とは、売上から原価を引いたものです。つまり、モノの売り買いだけの差よりも、その他の要因によって利益には差が出てしまう様だと言えるかもしれません。
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こんな感じで、まず、言葉の整理/定義をした上で、ビジネスゲームの結果を用いながら、「利益」について考えてみました。次回は、その利益を比率で考えてみるという点、つまり、利益率について触れていきます。
ビジネスゲームは、経営の疑似体験を通じ、財務/会計以外にも運営管理(オペレーションマネジメント)など、社員教育用の教材として、幅広く活用できるものと思います。では、しばらくは、このネタで続けてみます。