ざっくりわかる?経営分析 〜経営シミュレーションゲームで若手社員教育〜
手元に、100万円あるとする。そのままにしていても、100万のままでもったいないので、銀行や郵便局に預けるかもしれない。外貨の定期預金等には事細かく注釈があるが、我々は金融商品を購入していることが多い。いわば、商品を費用と投じて購入し、一定期間が経過した後、同商品を販売し(買い戻してもらい)、利益(利息)を含んだ収益(元本と利息)を得るのである。
100万円を元手に2万円の利益を獲得することと、1000万円を元手に5万円の利益を獲得するのでは、どちらが優秀な経営と言えるのであろうか?
少々、堅い話だが、ビジネスゲームを通じて考えてみるのも面白いかもしれない。
ビジネスに活かせる資本に対して、産み出した利益の関係を示し指標の一つが、「総資本経常利益率」になるだろう。
以前、社内ワークショップで実施した店舗経営のビジネスゲームの結果で見てみる。tomoki社は第18期までの経営にて最も優秀な経営を行ったとされる企業(プレーヤー)となった。その際の基準は、あくまでも利益剰余金であり、つまり、毎期の利益の積み重ねである。
日常の業務で気になってしまう売上高に対する利益率の関係を示す指標の一つ「売上高経常利益率」だが、tomoki社とmtaneda社は、第13期を除いてほぼ均衡している。
しかし、持っている資本に対して産み出した利益の関係を示す「総資本経常利益率」でみると、mtaneda社が全体的に上回っている。つまり、一定の期間においては、tomoki社よりも効率的に利益を産み出したと言えるのではなかろうか? 分母となる資本に対して、分子となる利益が比率として大きかったのである。
そこで、資本利益率、売上高利益率、回転率の関係を整理してみる。分母が総資本、分子が利益となる総資本利益率を、分母、分子に売上を掛けることで、数学的に分解することができる。
回転率を示す指標の一つ「総資本回転率」として見てみる。具体的には総資本に対する売上の大きさになる。要するに、売上の規模は身の丈の何倍くらいかとざっくり解釈するといいかもしれない。ビジネスゲームの結果をもって、グラフにしてみるとよくわかる。mtaneda社は、第10期以降はtomoki社のみならず、他社を圧倒する回転率をほこっている。つまり、会社の規模を基準にすると効率的に収益をあげたとみていいかもしれない。
経営分析のさわりとして、資本利益率、売上高利益率、回転率の関係を挙げてみたが、特定の職種の方以外は一つ一つの指標を覚える必要もないと思う。しかしながら、近くして、組織を引っ張っていきたいと思っている方がいれば、大枠で体感しておくことは、決して損にはならないと思う。
経営分析フレームの教材にもなるであろう、ビジネスゲームですが、オープンワークショップとして、社内向けに開催してきたカリキュラムにて、広く一般の方向けに開催を予定しています。
ぜひ、ご興味がある方は、こちらのフォームよりお申し込みください。詳しい内容については、過去のブログ(こちら)など、ご参照いただけると幸いです。