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社内ワークショップ(4回目) ~エンジニアのための「お金の話」~

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 ITエンジニアは名の通り技術者であり、技術指向となるのは当然のことだろう。複雑なアルゴリズムを組上げるにも関わらず、お金の話になると途端に避けて通る傾向はなかろうか。

 とはいうものの、私自信も以前はどちらかというとエンジニアであり、若かりし頃は、お金の話は極力さけて通ってきた。無論、自社でのシステム開発提案など投資効果については、説明しなければならなかったが、所定のエクセルシートを埋めれば回収期間などが計算されるようになっていたので、それ以上は突っ込んでこなかった。
 今となっては、会計士/税理士のような専門家ではないが、多少は慣れているので、月に数回開催している社内のワークショップ(勉強会)にてテーマアップした。

 「なぜ、エンジニアはお金の話と距離を置くのか?」について、私なりに考える。一つには、些細な点かもしれないが、エンジニアとしてのプライドもあるだろう。経理担当者やそこそこできる営業担当者は、それなりに数字のプロである。技術としての誇りに対して、数字(お金)の面で茶々を入れてほしくないと思う気持ちもなくはないだろう。ただし、一定以上の管理職になれば、数字は無視できなくなる。企業における意思決定に貨幣的価値としての尺度は必要だ。

 そこで、”とりあえず、簿記や経理の本でも読んでみるか~”とトライするのである。が、行きなり、仕訳を目にすることになる。本を読み進めれば進むほど、辛く厳しい道のりとなる。読むことすら辛くなった経験もあるのではなかろうか?

 私が思うに、まず、お金の話には「全体像を見せる」ことが先にあるべきと考える。簿記は確かに手続きであり、はっきり言って理屈もなく、ルールである。なぜ、そうなるのかを読み解く必要は会計学者にはあろうが、エンジニアにはないと断言できる。その反面、仕訳だけを見せて「ルールなので覚えてください」では、自分の仕事/ビジネスとどのように結びつけてよいのかイメージすら湧かないだろう。

「負債は借金でしょ!?で、資本金は自分のお金で、足したら相殺しちゃうじゃん! だいたい、借金(負債)と自分のお金(純資産)を足すって意味分かんないよ~」となってしまう。

 ワークショップでは、まず、会計には、財務会計、管理会計(、税務会計)があり、社外に対する報告と社内に対する報告があることを説明した上で、両者ともに基本となる「事業年度をイメージしたお金の流れ」を起業を想定して、丁寧に説明した。

 資本として集めたお金から、商品を仕入れ、販売し、生み出した利益が、税金や株主配当として利益処分され、剰余金として、また資本に加わる一連の流れを、図で示した。

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社内ワークショップの資料をベースに、さらに手を加えた。


 貸借対照表の解釈だが、右側が調達源泉、つまり、どこからお金を工面したか?であり、左側は運用形態、つまり、現状、どんな形で残っているか?を示したスナップショットだと説明すれば、エンジニアもウンウンとうなづくのである。

 損益計算書の費用は、会計期間内にて収益獲得のために切り出したものであり、つまり、今期に使う分を資産から拝借したようなものだ。費用は、より多くの収益(要するに売り上げ)により、利益が創出されるのである。つまり、期間のパフォーマンスを示しているのだ。

 決算整理では、利益の一部は、税金や株主に渡り、残りが再度、貸借対照表の下にくっつき、その期を終えるざっくりしたイメージである。分かっている人には当然のことだが、馴染みのない人には、イメージがつきにくい。

 ワークショップには、総務部長、経理担当者にも参加してもらえた。経理担当者からは、好評で次回も参加したいとメールをもらった。

 エンジニアのためのお金(経理)の話には、簿記上の厳密な個々の手続き(ルール)の説明よりも、全体像を見せ、イメージさせることだと考える。そうすれば、繰商や減価償却は、す~と入って行くだろう。そもそも、エンジニアは賢いのだ。

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