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中小企業診断士がリードするビジネスゲーム。自ら実践したリスキリング(学び直し)の体験談などご紹介いたします。

賢人は何から学ぶのか? 〜美しいのは隣の薔薇だけ?〜

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 大手自動車メーカーが北米で浸透した高級車ブランドを国内にて新ブランドとして展開した際、茶道や高級ホテルにおけるお客様へのおもてなしを重視し、実際に研修に組み込んだ話は有名かと思う。

 どうしても意識してしまうのは、競合他社である。引き合いや見積もり、客先訪問でも、他社の製品やサービスの話が出てくることも多い。自社で検討する際に、「何か、差別化はないのか!」との号令の下、安直にキャンペーンと題した値引きは、禁じ手と知りながらも、最後にはここにすがってしまうこともある。

 行き詰まったら、街をぶらつくことがよいとする話もある。意外なアイディアが湧いてくることもあるからだろう。

 前述の通り、自動車メーカーももはやモノ売りの時代が過ぎ去ってしまったことを十分理解しており、モノとサービスを融合した価値提供に移行している。

 サービス・マーケティングにて、ラブロック(1983)は、サービスを「何に対して、誰に対して」と「行為の有形性/無形性」として分類している。(今回も、社内ワークショップで用いた資料を添えてみる。)


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 ラブロックの示唆の注目すべき点は、「同じカテゴリからは、学ぶべきものがある」としている点だ。

 前述の自動車メーカーの場合、系列にて垂直統合されたディーラーで、来店されるお客様に対して、人であるスタッフの接客を通じて、販売対象となる自動車に限定されることなく、自動車と伴う時間と空間の上質かつ高い価値の提供を進める。「ディーラー店舗や販売対象となる自動車の有形」と「人を対象とするプロセス」を見れば、ホテル等から、そのおもてなしのノウハウを見いだした点の説明がつく。また、航空旅客事業(ファーストクラスでの接客)や高級レストラン等も場合によっては、十分対象となるかもしれない。

 自社のビジネスを見たときに、この分類に照らし合わせると、気付きがあるかもしれない。ITであれば、銀行や保険業務など広くコンサルティング事業者から習うべきことは多いだろう。

 無論、この発想は、「ものづくり」と「サービス」を融合したビジネスを意識したときに、より有益となると考える。技術者の視点も、少しだけでも、他者に広げてみることで、その可能性が広まることだと思う。

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