オルタナティブ・ブログ > Godspeedな生活 >

地方都市のおじさんが思う「家族と仕事とお勉強のワークライフバランス」

書かなきゃいけない計画書 質より量でテーマを絞ろう!

»

 勉強と研究は違う。
 私自身も非常に苦労した部分なので自分への反省も含めて、少し綴っておく。

 大学院とは、基本的に研究する場なのである。研究にあたり、より専門的な足りない知識を補うための勉強も必要とされる。(修士課程と言ったり、博士前期課程と言ったりするが、主に勉強は大学院の1年目に集中する。)

 研究計画書は、あくまでも、研究のための計画であって、勉強の計画ではない。

(a)実務を通じて問題意識も持ち始めた。より深く勉強したい
(b)実務を通じてこれまでの知見に磨きがかかった。より深く研究したい

 先端研究を進める大学教員は、おそらく後者のモチベーションの学生を期待しており、「研究を相乗的、効果的に進めるために、共同研究者としての能力を期待したい」と考えるだろう。また、「社会人たるや、実務を通じて社会に価値を還元すべきであり、学生指導とは、その価値創造の源泉の磨き上げであり、まずは勉強は結構」と学生の実務主体にも相当の理解を示してくれる大学教員もいるようだ。

 まずは、”飛び込んでから考える”で、進んでしまった自分だが、多少は理解の上で進めたほうがよかったと少々反省している。

 少々くどいが、既に先駆者により幾つかの枠組みが示されている勉強と、先駆者により未だ見出されていない切り口を探求する研究は違う。

 いずれにせよ、願書を出さないことには、受験資格はないので、自分自身が(a)でも(b)でも他でも、多くの大学院では、研究計画書は用意しなければならないのである。

 そもそも、大学院に行ってみようかと思うほどの気紛れ者(?)であれば、自分自身の関心毎から興味関心のテーマの大枠が決まるだろう。マーケティングであり、オペレーション・マネジメントであり、人的資源管理であり、それぞれあると思う。

 そこで、次の観点で、テーマの絞り込み・深堀していくとよいと思う。

1.実現可能性 : 欲張らず、限定してしまう。
 実質、修士論文を期間は1年未満となる。多くの方は、仕事を並行しての執筆となり、この期間内で到達できる範囲としたほうがよい。また、研究にあたっても、データや調査を伴う場合もあり、同データ・情報の入手可能性についても十分考慮しておいたほうがよい。限定という意味では、研究調査の対象を絞ってもよいと思う。例えるなら、特定の市場・産業に特化する、特定条件下における消費行動に限定する等になるだろう。

2.トレンド : 旬を逃すと痛い目にあうかも?
 研究にも旬がある。例えば、今更、携帯電話利用の普及と消費財の広告効果をテーマとしても、携帯電話が飽和状態の今となっては、やや新鮮味にも欠ける。また、注意したほうがよいのは、実務で旬となっている(なりつつある)ことと研究対象として、旬となっていることは異なるし、自身が考えている以上に高度な基礎知識が要求される場合もある。ここ数年で、データベース・マーケティングが相当確立されてきているようだが、もはやこの領域は統計学の独壇場ともいえ、経済物理学も関連してきている。つまり、昔でいう文系・理系の領域の区別はなくなっている。

 そのために、何をすればよいのか?という点を2つ挙げる。

1.大きめの本屋をぶらぶらして、ななめ読みでもいいので、読みまくる。
 業界専門雑誌でも、ビジネス書でも、学術書でも、自分の決めたテーマの大枠で読んでみる。例えば、「ネットビジネスにおける流通」なら、amazonや楽天等のサイト運営や、佐川急便やヤマト運輸物流、ECなど電子決済関連など、さらに、絞り込めるだろう。

2.論文を読んでみる。
 読んだこともない論文など読みたくもないだろうが、研究のお作法として”先行研究”の調査は必須である。これは、車輪の再発明はしないという点もあるだろうが、偉大なる賢者の知恵をお借りすることで、高い位置からの出発が可能であり、より新たな知見の探求が可能であるという点にある。
 堅く書いてしまったが、内容はともかく、論文の形を早めに眺めておくのは、損にはならない。仮に合格すれば、類することはすることとなるだろうからである。決して、最初から、全てを深く理解する必要はない。「○○という先生らしき人の主張は、□□ってことだな」を捉えれば十分だろう。

なお、論文については、http://scholar.google.co.jp/ を使うととても便利。

 多少、しんどいが、まずは一気に関心のある範囲で読みまくるのが、いいと思う。

Comment(0)