Acer Aspire Timeline AS3810T-H22のIntel VT機能を有効にしてみたでござるの巻
Acer Aspire Timeline AS3810T-H22といえば、キー配列が少し気持ち悪いが、バッテリーの持ちも価格もスペックも結構いいというマニア泣かせのノートパソコンですが、少し残念なことを見つけてしまったのでその対策も含めて記しておきます。
Timeline AS3810T-H22の非常に残念な仕様、それは、「Intel VT-x機能が無効になっている」というまったくもって残念な仕様です。これに気づいたのは、「Windows 7のXPモードってIntel VT-xやAMD-VなどのCPUの仮想化支援機能が必須条件だったよね?」という素朴な疑問から。あまり詳細に調べていないので、必須条件ではないのかもしれませんが、これが正しいのなら、TimelineでWindows 7のXPモードは使えないことになります。
そんなことをTwitterでつぶやいていたらすぐにレスが帰ってきて、以下のようにすることでIntel VT-x機能を有効にできることが分かりました。情報ソースとしては以下の2サイトを参考にしましたが、一部違っている部分もあるようですので、オリジナルの情報も紹介しておきます。
Acer Aspire Timeline AS3810T-H22のIntel VT機能を有効にする
Acer Aspire Timeline AS3810T-H22のIntel VT機能を有効にしてみた
Enable VT on InsydeH2O based Sony Vaio laptops, the EFI way
ここを読むと分かるとおり、もともとSONYのVAIOのVT-x機能を有効にする方法のようですが、なぜかAcerのBIOSでもできてしまうとのことです。
では、以下が手順です。基本的には上述のエントリの通りです。
# BIOSバージョンを1.08に変更する
これから使用するツールは1.08で動作するプログラムですので、BIOSのバージョンを1.08にします。わたしのPCはBIOSのバージョンが1.04でしたので1.08にバージョンアップした後に次に進みましたが、このプログラムが1.04以前のバージョンでも動作するのかは試していないので不明です。
また、ちまたのうわさではBIOSバージョンが1.10にするとIntel VT-x機能が有効になる、という話もありますが、それを示すものをWeb上に見つけられなかったことと、BIOSのChangelogなども用意されていなかったため、素直に1.08で試しました。すでにBIOSが1.10の方はVirtualChecker 1.0などでVT-xが有効になっているかお試しの上お知らせいただければ幸いです。
# Feature Enable: Enable VT on InsydeH2O based Sony Vaio laptops, the EFI wayからツールを入手
ここのthis EFI applicationから、BOOTX64.EFIを取得し、ブート対応USBメモリの\BOOT\EFIの中にコピーします……と日本語情報には書かれていましたので、最初は無邪気にその通りにして試してみましたが、うまく起動しませんでした。オリジナルのサイトをみてみると、\BOOT\EFIではなく、\EFI\BOOTでした。ということで、ファイルの配置は以下の通りです。
\EFI\BOOT\BOOTX64.EFI
以下の2項目は特に問題なく進められましたので、そのまま引用します(一部追記)
# F12でブートメニューを表示
F12でブートメニューを表示します。通常はブートメニューを表示しないよう設定されていると思いますので、F2の設定画面でF12のブートメニューを表示するよう設定を変更します。
# ブートデバイスの選択
先ほど作成したブート用USBメモリを3810Tに挿し、そこから起動します。挿しているUSBメモリによって表示が違うので、上から試してみてください。たいていの場合で一番上のデバイスの場合が多いようですし、わたしの場合もそうでした。わたしの環境ではUSBメモリを示すと思われる項目が2つありましたが、USB FDDとして認識されている方を選択してもうまくいきませんでした。
# コマンドの実行
GRUBのブート画面が出て、
> Welcome to GRUB!
>
> Entering rescue mode…
> error: file not found
> grub rescue>
という画面が出ればあとはコマンドを実行するのみです。
setup_var
を実行し、GUIDが表示されることを確認します。文字が大量に表示されますが、1番最後の行は> grub rescue>とコマンド待ち受けになっていると思いますので、その上辺りをみておけばよいでしょう。
次に、
setup_var 0x1af
を実行し、0x0が表示されることを確認します。いうまでもありませんが、xはエックスです。
次に、
setup_var 0x1af 0x1
を実行します。fと0の間は半角スペースをお忘れなく。
最後に、
setup_var 0x1af
を実行してみると、0x01と表示されると思います。「あれ? 0x1って入力したはずなのに……」と不安になるかもしれませんが、0x01で間違いではありませんのでご安心ください。
ここまできたらおもむろにCTRL+ALT+DELETEで再起動して、OSを立ち上げてください。再度VirtualChecker 1.0などを実行するとVT-xが有効になっていてニンマリできるかと思います。
なお、わたしはこの方法でVT-xを有効にしましたが、当然ながらこの方法は自己責任でお願いします。こんな面倒くさいことをしなくても、BIOSバージョン1.10ではVT-x有効になっているかもしれませんが、そうなっていると断言するに足る情報を見つけられませんでしたので、その点をご理解の上お試しください。1.10以上のBIOSをお使いの方でVT-xが有効になっているよーという方は、ぜひお知らせいただければ幸いです。
ともあれ、これでようやくTimeline AS3810T-H22でWindows 7のXPモードも使えますね。VT-xが無効になっているなのにうっかりWindows 7 Proを買っちゃった……とか、XPでしか動かない残念なアプリケーションのためにXP入れるけど何か損した気分になるからせめてVT-xくらいは有効にしておいてほしかったしどうせならWindows 7Home PremiumでXPモード提供してほしかったなといった自分のような方にこの情報が参考になれば幸いです。くどいようですが、Acerのサポートが受けられなくなる可能性はありますので自己責任でお願いします。