編集長は2度泣く
今日はeBook USERが毎月1回放送している「eBook TV 」の放映日だった。
もうすでに業務上お付き合いのある方などには報告させていただいているが、11月からeBook USERの担当編集長を拝命した。eBook USERに異動してきて約2年。早いと言えば早いし、編集職についてもう10年経つから、遅いと言えば遅い任だ。いろいろ思うところはあまりおおっぴらに書くのも気が引けるので脇に置いておくとして、ITmedia媒体の編集長になるのはこれを生業にすると決めた中で1つの目標に据えていたので、素直に喜ばしい。今回のebook TVは編集長になって最初の放送だった。
ところで、編集長になったことともebook TVともまったく脈絡なく髪を切った。もう6年くらいどこかの新興宗教の教祖よろしく髪を伸ばし放題だったのだけど、もろもろあって髪を切った。6年前に一度短くしたそれ以前も長かったが、これは単に短い髪だとセットが面倒というただそれだけの理由だ。髪に何か、例えばヘアワックスを付けたりするのがどうにも嫌いな性分なので、短い髪だと扱いに困る、かといって坊主にするのも嫌なので、放っておいたらぐんぐん伸びていった、そんな感じだ。「あぁこいつヘアワックスとかうまく使えないのか」と理解してもらえればよい。
そんなわけで今日のeBook TVは嫌な予感があった。我ながら笑っちゃう変な髪型だったのだが、案の定そんなコメントがズバズバ突き刺さってきてちょっと泣いた。番組途中でほとんど映ってないのは多分それが理由だ(違います)。
少しブルーな気持ちになりつつも、ムロタニツネ象さんと館尾冽さんの対談という貴重な、それはもう貴重な映像をお届けして、番組は終了した。時間を予定より少し延長してお届けしたが、寄せられるコメントからはそれが好意的に受け止められたように感じられ、スタジオはある種の達成感に包まれていた。
そして番組終了後、放送を見ていた方はお気づきになられたかもしれない。そこにはあるサプライズが待っていた。恥ずかしいのでアーカイブ映像ではその部分はカットしたが、予期せぬことに狼狽し、「やりやがったなこんちくしょう」とかすれかすれの声を出すのが精一杯の涙目な自分がそこにいたということだけお伝えしておけば十分だろう。なぜか食べたケーキはほんの少しだけ涙の味がした。
11月に入って、人生の岐路だと感じさせる出来事が相次いで疲弊しきっていたのだけど、中にはこうして元気をくれる人たちもいて、本当に心強いし、感謝の言葉もない。これからもヘアワックスをうまく扱う自信はまるでないが、さらに大きな仕事ができるんじゃないかと感じた日だった。