ダンスフロアでもう一度
本格的にLinuxworldが始まったわけだが、どうにも方向性がよく分からない。というのは、Oracle、HPの基調講演を聞いて思った素直な感想なのだが、基調講演ではどちらも何ら目新しい発表もなく、自社のLinuxに対するコミットを再度説明するだけで終わってしまった。
ただ、HPのMartin Fink氏には人を引きつける「魔素」があるというので興味を持っていたが、実際そのとおりだった。いきなりiPodを取り出してきて、「おや? 何だか会場が静かだね」とニヤリ。そりゃそうだろうと皆が心の中でツッコミを入れていたはず。OracleのCharles Phillips氏の話も悪くはなかったが、こうしたことを確信犯的にやるFink氏と比べるとユーモアのセンスに欠ける部分があった。
で、初日の大きな発表としてはNovellのOpenSUSEとDebian Common Core Allianceだったわけだが、ITmediaではDebian Common Core Allianceのほうにフォーカスした。もちろんOpenSUSEも取り上げていくが、DCCAのほうは国内では最も内容がある構成になったのではないだろうか。
記事になっていないところとして補足するなら、DCCAはDebian Projectと別個になっているため、これは将来的にforkを誘発するのではないか、という危惧があることが1点。Sargeにパッケージを追加する形でのリリースをDCCAというDebian Projectとは別の組織が管理することになる今回の発表は、いくらforkでないと言ったところでまったく説得力がなく、事実上のforkだと言われても仕方ないだろう。
また、Debian Projectとは別個であるにもかかわらず、Debianというトレードマークを使っていることに対する指摘もdebian-project mlでは見受けられる。Progenyなどが必死に弁明?しているが、やはりというか当たり前のように論破されているあたりが笑える。 ついでに、 DCCは当初Debian Core Consortiumだったはずが、シレっと変わっているのもおかしくてしょうがない。
あと、DCCAには「イケてる」Debian開発者の数が意外に少ない。UbuntuのスポンサーであるCanonicalはVA Linuxよりもう一回り大きな規模で開発者を囲っている(VAは6人のDebian開発者を抱えている)。が、そのどちらも参加していないことは、DCCAにとっては痛手であることは間違いない。そう言えば、教育機関向けのディストロとして定評のあるノルウェーのSkolelinuxも参加を取り止めている。
日本のLinuxWorldとは違い、著名な方がたくさん来られていて感激する。 「Tridge」ことアンドリュー・トリジェル氏などに会えた。
同氏がジャッジを務めたMicrosoft VS GoogleのGolden Penguin Bowlは最高に盛り上がった。こういうイベントが続く限り、LWに足を運ぶ人は絶えないだろう。 つーかこのペンギンほしい。