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Massy Evolution

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    今日はレッドハットにて、Michael Tiemann氏を迎えてラウンドテーブル。記事はこちらこちら。ついでにいただいたノベルティはこちらから。

    マイケル氏

    正直Michael氏なぜこの時期に来日したのかはよく分からなかったが、聞きたいことはたくさんあっただけに質問しきれなかったのが悔やまれる。Microsoftとの会談がどのようになったのか、Sunをどう思っているのか、Fedora Projectについての本音……などなど。とりあえずJLAでアワードを受賞した「リクルーティングソース」のPDFを落として読み始める。

    Fedora Projectについては、「はじめたはいいけど、あんまパッチも上がってこないし、どうしたもんかねぇって思いがプロジェクト独立の動きになったんですか」という無礼きわまりない自分の質問に「そういう部分もあるかもしれないね。独立は『モア イノベーション』のためさ」とサラリと語ったのが印象的だった。いや実際のところはマイケル氏がハリーポッターのダニエル・ラドクリフに似ているのが一番印象的だったのだが。

    インプレスの朝夷氏や日経BPの高橋氏にもごあいさつ。よく発表会では一緒になるのに、きちんとあいさつしたのはこれが最初かな。どうもどうも。


    ●読んだ本「いつも旅のなか」

    マリナールの山本さんから勧められる。旅に魅せられた20代から30代にかけて、モロッコ、ロシア、ギリシャ、オーストラリア、ベトナムやモンゴル、中国、アイルランドなど、20数カ国をめぐる「ゆっくり旅」のエッセイ。
     観光旅行というのは、言ってみれば「非日常の体験」なのだが、それぞれの土地には、そこに住む人たちの日常があり、それは旅行というよりもむしろ「旅」というひとつの日常なのだ。角田さんには、その町に流れる時間軸に、すっと入り込んでいく”人間力”があるように感じる。
    とはいえ、時には、その国の人でなければどうしても分からないこともあり、なじめなかったりすることもあるが、角田さんはどんな価値観であっても最終的には静かに受け入れてしまうおおらかさがある。角田さん自身は「経験豊富になるわけでもない」と書いているが、少なくともこの世界にはいろいろな国があり、さまざまな価値観をもつ人々が暮らしているということを、肌で感じているのだろう。自分達の尺度で理解できるほど世界は狭くないこと、旅の醍醐味を改めて感じる。

    「国境というものが私は好きだ。観光名所には出向かないくせに、条件が許せば国境はかならずいく。何をするでもない、国境にほど近い茶店に座って、ひがな一日茶をすすり、往来を行き来する人々を眺めている。」(第2章The Borderより)
     あらゆるものが交差する日本にはない国境。そして、市場、教会(宗教施設)、鉄道の駅は必ず訪れるようにしているという。その国の個性が見える場所だから。新しく訪れた土地では、最初の1日~2日は、その国の人の顔を観察すると、3日めくらいからは、人が見えるようになるという。声をかけてくる人が、良い人なのか、悪意を持った人なのか……。だから、旅の期間は、1週間では短く、2週間くらいが最適だという。

     2週間ののんびり旅……なかなか確保できない時間ではあるが、国とその国に住む人々の個性をやわらかい視点でしかし鋭く捕らえる角田さんのエッセイは、居ながらにして、いろんな旅を体験させてくれる。実際に訪れた国については、その国でなんとなく感じていたことや空気が、角田さん流の言葉で表現されていて、「そうそう、そうだった……」と共感することしきり。

     現在、30本の連載を抱え多忙な日々を送る角田さんにとって、旅とは、白紙に戻る時間だという。情報が溢れた東京の日常では、自分の考えと、外からのインプットとの区別もつかなくなる。そして、ひとり旅の醍醐味は、見たものの印象がストレートに入ってくること。同じものを見ても、人によって感じ方はさまざま。他人の印象に邪魔されずに、自分だけの印象が最後まで持続することだという。

   

いつも旅のなか
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角田 光代


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