パリでLe Web 3 '07が開催
12月11日、フランス・パリで「Le Web 3 '07」が開催された。以前このブログで紹介したブログイベント「Les Blogs 2.0」の進化版で、今回で4回目となる。登録者は「プレスだけで200人」(ちょっと信じられない)。リュクサンブール公園の横にある上院議会で開催された初回とは比較にならない規模となった。
参加者の数は後にわかるとして、協賛企業がすごい。Netvibes、Google、Nokia、Microsoft、IBM、Sun Microsystemsなど30社弱。
司会はこのイベントを立ち上げた著名なフランス人ブロガーLoic Le Meur氏(写真右。横にいるのはMarc Canter氏、居眠りをよくするのでからかわれていた)。Six Apartで欧州トップをつとめていたが、今では米国に居を移しベンチャー企業を立ち上げている。
初日、伊藤穣一氏の講演を聴く前に帰ってしまったが、面白かったのはインターネットとソーシャルメディア。ソーシャルメディアにより、アマチュアが生成したコンテンツが増えているが、これはいわれているほどよいことなのか?というものだ。
インターネットカルチャーに批判的な意見のAndrew Keen氏(『The Cult of the Amateur: How Today's Internet Is Killing Our Culture』の著者)と肯定的なEmily Bell氏(英The Guardianのオンライン版Guardian Unlimitedの編集長)が意見を戦わせた。
--「インターネットは物理的な世界をリプレースするものではない。Second Lifeはリアルライフではない」(Keen氏)
--「インターネットがリプレースするとは思っていない。補完するものだ。(インターネットは)人々を結びつけるツールとしてこれまでにないすばらしい、最高のツール」(Bell氏)
--「ジャーナリストがクビになり、レコード会社が倒産する。人々はコンテンツは無料と思っている。じれが完全にいいこととは思えない。現在、文化をビジネスにしているのは、ユーザーが生成したコンテンツを掲載し広告で収入を得る技術企業だ」(Keen氏)
--「メディアや出版業界が学んだことは、これからの時代、ますます透明性が不可欠ということ。実績を示すこと。自分がやっていることをオープンにし、改善していくこと」(Bell氏)
--「(著書は、)ロングテールなどの言葉で語られるインターネットユートピアビジョンに挑戦したい」(Keen氏)
--「根本的な変化ではない、メディア/出版業界は常に、ユーザーが必要としている情報を与えることを目標としてきた。これに向けて組織を変化させていく必要がある」(Bell氏)