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紛れ込んだ絵葉書に故郷をおもう

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日本から手紙が届いた。

といっても、何の色気もない書類だ。やりとりしている会社からで、A4サイズの封筒を3つ折りにし、テープが貼ってあった。だが、そのテープを開こうと封筒を縦にした途端、バサバサっと絵葉書が数枚落ちた。今日は手紙が多い日だなと思ったが、そうではなかった。改めて絵葉書の宛先をみると、私宛ではない。宛先はすべて違う人で、共通しているのは日本の切手とフランスの宛先。どうやら、日本の郵便局で“フランス行きエアメール”と仕分けしたときに、私宛の郵便物の折り込んだ封筒の間に偶然入り込み、そのまま配達されてしまったようだ。

絵葉書は合計7枚。失礼とは思いつつも、(絵葉書なので)つい文面が目に入る。どうやら、7枚の絵葉書の6枚は同じ人物が書いた葉書のようだ。初めて旅行した日本に対する感動を、故郷の友人や家族に綴っている(ご心配なく。手書き文字があまりに“ネイティブ”なので、さっと読めませんでした。よって、一字一句読んだわけではありません)。

裏返してみると、秋の宮島の写真。私も、改めて祖国の自然の美しさを実感した(ちょうど『国家の品格』を読んだあとだったこともあり……)。

と、その一方で、手紙はこんな風にして紛失するのかとも思った。私はこの7枚の絵葉書をその日のうちに郵便局に持っていったが、もしそうしなければ、この葉書は永遠に届くべき人に届かなかったのだ。

届いたかな? という不確かさというかドキドキ感のようなものは、電子メールより郵便の方が強いと思う。その不確かさだが、私はフランスの郵便局(国際宅急便:EMSのChronopostは除いて)は結構信頼できると思っている。こちらから出す場合も、受け取る場合も安定している(一度、ロンドンから日本に葉書を出して、届いたのが2ヵ月後だったということがあるので、イギリスは信用していない。しかも、イギリスの郵便局には人の手紙の封を勝手に開ける職員が多いとも聞いたが?)。だが、これも人によりさまざま。こちらに住む日本の人と話すと、信頼していない人の方が多い。

***ちなみに、エアメールの“par avion”はフランス語です。また、日本の郵便カラーは赤ですが、フランスでは郵便の色は黄色。ポストも黄色だし、郵便局の看板やロゴなども黄色を基調としています。「フランス」と「郵便局」というと、私は古いフランス映画『幸福』を思い出します。

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