パリだから芸術の話
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前にも書いた通り、パリといえば花の都、恋の都、そして芸術の都。なので、今回は芸術とコンピュータの話を。
アーティスト天江竜太さん(写真)は、コンピュータグラフィックス(CG)を使って作品を制作しています。かの“ボザール”ことパリ国立美術大学に留学、西洋美術を学んだわけですが、CGに傾倒。その理由を、「絵画というのは写真の誕生により(ある意味で)終わっていて、写真の次にくるのがCG」と説明してくれました。
「ジェリコー(テオドール・ジェリコー)がいま生きていたら、(映画の)『タイタニック』を制作したのではないでしょうか」と天江さんは続ける。
芸術のことはよく知らない私は、これまでCGと聞くと技術をイメージしていた。そして、芸術というと筆とキャンバスを想像していた。でも天江さんの話を聞いて納得。芸術というのは技術と愛称が良く、常にその時代の最先端の技術を用いてきたそうです。レオナルド・ダ・ビンチの遠近法も当時は先端技術だったし、写真もしかり。そうやって見ていくと、CGがいま“単なる先端技術”から“芸術”へのターニングポイントを迎えつつある、といえるのかもしれません。
天江さんへの取材でもう1つ記憶に残った言葉。「一人でやる仕事って、何かしら尊いんです」。ーーCGといえば映画。巨大な予算を使いチーム制作という形を取るが、天江さんはあえて一人でアトリエにこもり、作品を制作している。「自分の中にあるもやもやとしたものを表現することにこだわっていきたい」。久しぶりに背筋が伸びる思いがしました。詳しくは、『CG World 10月号』(ワークスコーポレーション刊)にて。
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