世界を変える企業ランキング
フォーチュン誌がE.ポーターやM.クラマーが設立したCSVやShared Valueを推進する団体FSGとが組んで出している「世界を変える企業ランキング(Change the World)」の最新版がでました。日本企業は昨年はトヨタ一社でしたが、今回は伊藤園(18位)、パナソニック(39位)の二社がランクインしました。
非常に刺激的な企業ランキングですが、背景にはポーターのCSVがあります。評価基準は下記です。
- ソーシャル・インパクトの計測可能:当該企業が取り組んでいる一つ、あるいはそれ以上の社会的課題を明確に取り上げ、計測。ランキングにおける大きな比重。
- ビジネス貢献:社会課題解決が当該企業のビジネスに如何に貢献しているか。
- イノベーションの度合い:その業界におけるインパクト度合い。
尚、今回の評価の対象になる企業は$1billion以上のレベニューをあげている企業になります。
今回1位にランクされたGlaxoSmithKlineは給与水準の低い国での特許を放棄して薬が手に入りやすくしたり、そういう国の健康インフラの整備や健康管理従事者へのトレーニングなどにも投資しています。NGOであるSave the children との共創にも積極的です。
伊藤園は18位にランクされています。
「日本の混迷する農業セクターに新たな雇用創出」
日本最大の緑茶飲料メーカーである伊藤園にとって、環境保全はゆるぎない信念である。この売上高4000億円の清涼飲料メーカーでは、2001年から茶産地育成事業に取り組んできた。この事業は、日本では耕作放棄地が40万ヘクタールもあるが、同社ではその活用と就農者の増加を図るものである。 地域の自治体と農家との契約により、伊藤園は栽培技術を提供し、1,000ヘクタールの緑茶原料用農地を確保してきた。また、伊藤園では、年間49,000トン発生する茶殻をダンボールなどに再利用している。(伊藤園 常務執行役員CSR推進部長 笹谷氏のメールより転記)
CSVは、社会的な課題にビジネスの源泉を見出し、社会課題解決とビジネス成長の両立を達成するイノベーティブなアプローチです。今回ランクされている企業は経営の柱のひとつにこのCSVを置くことによってサステナブルな成長を自社と環境にもたらしています。
本来は、日本企業こそがこの領域のリーダーになるべきだと考えていますが、どうしても特有の奥ゆかしさ?がここでは障害になっている気がします。「お金のいい循環」がなければ行き過ぎた資本主義は一部に冨の集中が進み、地球や人を破壊し始めています。いい循環を産み出すビジネスモデルをみなさんで推進しましょう。