エンゲージメント・マーケティング事例 :Pedigree Dog Adoption Drive
先日社内向け勉強会(原塾 笑)で、改めてマーケティングにおけるCSV事例を取りまとめたので、しばらくこのブログで取り上げていきたいと思います。
Pedigree Dog Adoptions
Pedigreeはドッグフードメーカーで、マーズ社のブランドのひとつです。彼らが展開するCSV活動がDog Adoptionsです。
2000年中盤にドッグフードがコモディティ化し、競合やPB(プライベートブランド)とのシェア競争によるビジネス悪化に対して、Pedigree社がとった戦略の一つです。Pedigreeが捨てられた犬の食事を補い、拘留期間を長くするなかで里親を見つけ出す施策を後押ししました。その原資にはPedigree商品の代金の一部を充てました。犬のことを愛する人たちの指示を受け、Pedigreeは新たな犬好きのためのブランドを取り戻し、ビジネスも復活したという事例です。そのCMは犬好きの心を動かすにはあまりあるクリエイティブでした。
捨て犬「Echo」編
CM放映後このEchoの里親希望の電話はなりやまなかったといわれています。
里親が見つかった「Echo」編
そして無事里親が見つかり、ハッピーな表情を見せるEcho
CMだけでなく、里親を見つけやすい仕組みの提供や拘留所で少しでも長くいれる(=生きていれる)期間を長くするために食事を提供し、愛犬家もそこに製品を買う事で参加する、トータルの仕組み化が実現されました。社会的課題=捨て犬を救うことと、自社製品の売上向上、ブランド再構築に成功したCSV事例と言えるでしょう。
このキャンペーンの効果もあり、2005年頃には落ち込んでいたシェアや業績は2009年には回復し、社会的な課題解決と企業利益の両面を達成できたといえます。