おじさんマグネット
ミラーレスだけど一応デジイチを持つようになってから、なにかとおじさんの目線を感じる。
本当に不思議なんだけど、カメラ(オリンパスのE-PL1)を持っているとシニアのおじさんからよく話しかけられる。話しかけられないとしても、おじさんたちの目線は明らかにカメラで、もろ「ガン見」だったりする。これが?なぜ?と不思議なのだけど、昔カメラ好きだったおじさんたちには何か魅力らしい。筆者はこのカメラをひそかに「おじさんマグネット」と呼んでいる。
「おっ、すごいカメラだなあ」
--(もっと大きくてすごいカメラはたくさんあるような)
「どうだい、上手に使えるかな?」
--(いえ、たぶん、まだダメです。……見ての通り)
「何を撮っているんだい?」とのぞき込んでくるおじさんも。たいてい親切に「教えてあげよう」的に近づいてくる。
先日のおじさんはトークの最長を記録した。最初は「オートで撮ってるんだな?」と近づいてきて、当初筆者は意味が分からずに「セルフタイマーで撮ってます」とかみ合わない返事をしてしまった。おじさんは「昔はニコンのAFを持っていたんだ」と歴代の所有カメラ&レンズを語り出した。ヤシカがどうの、戦後の蛇腹のカメラがどうの、2眼カメラがどうの、レンズの使い分けがどうのと次々と語る。筆者には知識がはるかに及ばない世界で「へー、すごーい」と相づちをうつのみ。たまに「それって○○ですか?」と質問してみるが返事はなく、おじさんは延々と語り続ける。たまに数秒止まって心配になるが、復活後にはまた違う話題が出てくる。
「秋にはあの橋から羊雲がよく見える。シャッターは125、絞りは11だ(キリッ)」
すごーい。マニュアルになれているとそんな数字もスラスラ出てくるんだ。オートでばかり撮っていると、そういうの意識することないもんね。たまにAとかSとかで撮るけど、最近は失敗しないようにPで撮ることが多いかな。Pってプロフェッショナルモードなんだって。あるカメラマンさんが冗談で言っていた。
で、そのおじさん、肌着の白いシャツに腹巻きといういでたちで、縦長にしたリアルバカボンパパって感じだった。そして一通り語った後に「頑張りなさい!」と激励して去っていく。この部分はどのおじさんもたいてい同じ。
このての経験を話すとカメラを所有する女性はたいてい「私も!」と同調してくることが多い。カメラ女子にはよくある話のようだが、男性は全くないらしく不思議な顔をしていたりする。
おばさんだと言うことは違う。「あらいいカメラね。私も撮ってよ。昔バスガイドしていたんだから」と言い寄ってきて、撮らせていただいた。コンビニで現像したから近所を歩く時は持ち歩いているけど、またあのおばさんに会えるか運任せ。