「銀行はバクチしません!」という訓示
就職したのが銀行のシステム子会社だったせいか、新人研修の訓示で元銀行員の上司からこういうセリフを聞いた。どんな脈絡だったのかよく覚えていないのだが(すみません)、強い意志がこもっていて、その言葉だけ印象に残っている。かなり前の話なのだけど。
一方、世界経済は言うまでもなく大変なことになっている。数週間前に右図のマンガを見て笑っていたが、あまり笑えなくなってきた。(図は「スーパー加速器でブラックホールは出現していません」と報じる一方、リーマンブラザーズがブラックホールらしき渦に巻き込まれている様子。Newsweek 9月24日号より、元はAKRON BEACON JOURNALより)
経済は詳しくないのでせんえつではあるが、現在の危機は(サブプライムローンとか)ハイリスク・ハイリターンでバクチに近いことをやっていたツケとか、見込みの甘さみたいなものもあるように感じる。もちろん投資にノーリスクなんてないだろうし、多少のリスクの覚悟がないとよく成長しないのだろうけど、ちょっと行き過ぎたところもあるのかも。レバレッジのテコが悪い方にどかーんと動いてしまったというか。そんなイメージがある。
そんなこんなで大騒ぎな昨今を思っていたら、ふと昔の訓示を思い出した。新人だった当時はそれをほぼ真実のように受け止め、以降の行動指針として心に刻まれたのだと思う。仕事ではバクチのようなことはしない、例えばリスクがよく読めない状況で仕事を進めてはならないとか。だが今思えば、あの訓示は「(時として忘れてしまうことがあるけれど)本来はそうあるべきなのだ。バクチなんてしてはいけないのだ」という教えだったのかもしれない、なんて思うようになってきた。
もしそれを忘れると、業界は大変なことになる、ひいては実体経済にも悪影響をおよぼす。そういう責任があるのだから忘れるな--、と。振り返り、その言葉の重みをあらためて感じている。銀行員に言う台詞なんだろうけど。