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デジタルとアナログの間を行ったり来たり

懐かしくて新しい「消せる」メール

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 インターネットのメールだと一度送信したメールは取り消すことができない。だが、ニフティのWebメール「@niftyメール」サービスにて送信を取り消す機能「消せるメール」が追加されたそうだ。

 ITmedia News>「@niftyメール」に送信取り消し機能

 とはいえ、どこか懐かしい。かつてパソコン通信時代のニフティでは、会員間のメールで「送信取り消し機能」があった。その名の通り、相手が受信する前なら相手に気付かれることなく、メール送信を取り消すことができるものだ。

 「同一ホスト内で送受信するからできるんだよね」

 なんて話をしたこともあったような気がする。「ホスト」という言い方も、なんだかすごーく古い響きに聞こえてくる。サーバーではなくてホストなのだ。

 なにせこの時のあて先は8桁のIDである。あて先にドメインとかアットマークなんてものはないのだ。詳しい説明は省略するが、要は同一郵便局内の私書箱間でハガキをやり取りするようなイメージで、送信後であってもメールはまだ手の届くところにあったということだ。だから局員にお願いすればハガキを破棄してもらうことができた。

 一方インターネットのメールだと一度送信してしまえば、もう追跡して取り消すなんてことはできない。だがニフティの新しい機能で可能だという。それはかつてのように会員間(同一ドメイン内)で?と思ったが、それも違うらしい。

 それでニフティのアカウントを使って試してみた。種明かしはこうだ。「消せるメール」で送信されたメールはニフティにて保存され、受信者にはメールが届いたことを通知するメールが届く。受信者はこの通知メールに記載されたURLを開くことでニフティに保存されているメールを閲覧するという仕組みだ。イメージとしてはハガキは送信側の郵便局で保管されており、受信者はその郵便局まで出向いてハガキを読むという感じだ。

 もし受信者がメールを閲覧する前に送信者が「送信取り消し」をすれば、通知メールのURLに本文はなくなり「このメールは 取り消されています。」という断り書きになる。

 逆に送信者が「送信取り消し」をする前に受信者がメールを閲覧してしまえば、もう送信者はそのメールを取り消すことができなくなり、加えて受信者はそのWebページにあるメールを自分のメールアドレスに送信(転送?)する機能も提供されている。これをすると通常のメール同様、受信者のメールボックスには送信者からダイレクトに送信されたメールが届けられる。

 なお通知メールには「URL が https://ksrm.nifty.com/ から始まっていることを確認してください。それ以外の URL の場合には、フィッシングの可能性があります。」と、フィッシングに悪用されないようにという配慮も見られる。

 それでふと思った。メールが管理下なら取り消しもできるということなら、同一ドメイン内なら可能かもしれない。特にSNSなんてどうだろう。かつてのパソコン通信会員間のメールのように可能かもしれない。ただそれが流行るかどうかはよく分からないが。

(※2007年8月13日 13:50 本文加筆)

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