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デジタルとアナログの間を行ったり来たり

カタカナだと通じない

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 つい先日、カタカナ語が時として通じないという話を聞いた。

 「客先やセミナーなどでずっとアベイラビリティとかリライアビリティを高めるにはどうしたらいいかについて話し続けていたのに、話が終わってからふと『それで、落ちないようにするには?』なんて素朴な疑問を出されてしまったりするんです。どう答えればいいか悩んでしまうんですよ(苦笑)」

 その人にしてみれば「だからそれについて話していたんだよ~」という気持ちだろう。

 IT関係だと略字やカタカナ語になりがちで「何をいっているのかさっぱり分からん」と通じないこともある。とはいえいちいち略字を全部展開して説明する時間がない時もあるし、カタカナ語に無理な訳語をあてると直訳みたいなぎこちない日本語になることもある。

 ちなみにavailabilityにはよく可用性という言葉があてられることもあるが、これは国語辞典で調べると出てこなかったりする(もちろん出るものもある)。確かにITの世界を除き、日常的に「可用性」という日本語はあまり使わない。通じないわけだ。一方availabilityは利用や入手が可能な度合いであり、英語の意味が分かれば「可用性」で理解することもない。

 妙な直訳にならない範囲でできるだけ日本語で伝えられるように。それは筆者もよく考えていることだ。だから先の発言者のなんとも悩ましい気持ちはよくわかるなあと思った。一概にはいえないが、話す相手が理解できる語彙(ごい)に柔軟に合わせて日本語に置き換えて話す努力は必要なのだろうなとしみじみ感じる(多数を前にしたセミナーでは難しいとは思うが)。

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