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文章構造化ワーク:「まち・ひと・しごと創生法」

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「複雑な情報をわかりやすく書けない」悩みを解決するドキュメント・コンサルタントの開米です。

今日はこんな文章を構造化してみましょう。

少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度の集中を是正し、それぞれの地域で住みよい環境を確保して、将来にわたって活力ある日本社会を維持していくために、まち・ひと・しごと創生(※)に関する施策を総合的かつ計画的に実施する。

出典はこちら → http://www.kantei.go.jp/jp/headline/chihou_sousei/pdf/siryou1.pdf「まち・ひと・しごと創生法の概要」という文書の「目的」欄の一文です。

140字もないので、このぐらいの量なら分解して構造化するワークとしては手頃です。慣れてくれば5分ぐらいでできるでしょう。(最初は30分かかるかも・・・ですが)

まずは、分解します。単純にアタマから切っていくだけです。

2015-0430-mhs-1.png

そして構造化です。構造化の基本は分類とラベリング(名前づけ、見出しづけ)です。大まかに3つに分類でき、そこに「何のためにどうする」という構造が3階層で見い出せそうです。

2015-0430-mhs-2.png

そして、↑ここまでやってみると、真ん中の4つをもう少し構造化できそうです。また、上と下の2つずつは分けなくても良さそうです。

というわけで、上と下はそれぞれまとめてしまい、真ん中の4つを構造化して1本の流れにするとこんな感じです。

2015-0430-mhs-3.png

「住みよい環境」とは何かについての補足は、本当はあったほうがいいんですが、短くまとめるのは難しいですね。超具体的に言うなら、保育所の待機児童ゼロとか失業率○%以下とか数字が入るところです。抽象的に言うと、原本の「目的」の項にあるような話になります。

といわけで、「目的への阻害要因を挙げて、それを解決するための施策について語る」という流れに構造化できました。

こういうパターンは分野が違っても非常に良く出てくるものなので、何度か同パターンをやってみると、整理するのが非常に早くなります。つまり「5分でできる」ようになるわけです。

とはいえ、慣れないうちはどうしても時間がかかります。ですので、やってみてください。
こういう「文章の分解・構造化」を1日1回5分でもやっておくと、「複雑な情報をわかりやすく書く力」は飛躍的に向上します。理屈は大したことはありません。必要なのは練習です。困った時は開米を呼んでくれればヒントぐらいは言えますので(^_^)/

では本日はこのへんで。ドキュメント・コンサルタントの開米瑞浩がお届けしました。

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