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電動キックボードで公道で時速20km出す? 死ぬ気ですか?

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7月1日から道路交通法が改正されて特定小型原動機付き自転車いわゆる電動キックボードが免許不要で公道を走れるようになり、ヘルメットも「努力義務」扱いなので一応義務ではあるものの被っていなくても摘発されないことになりました。

はっきり言わせてもらえば「ありえねえ・・・・」な規制緩和ですよ。これに浮かれて軽ーい気持ちで段差の多い公道かっ飛ばして事故起こす利用者が多発するのは目に見えてるわけで、マジあり得ねえとはこのことです。

僕はもともとこの電動モビリティを初めて見たときから「うわっ危険すぎる......」と警戒してました。しかしながら公開の場でそう書くなら一応自分で乗ってみてからにしようと思い、先日東京都心に行く機会があったので某社のシェアサービスに登録し利用してみました。

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危険なのは乗る前からわかってるので、ヘルメット&グローブ装備でです。わざわざこのためにリュックにヘルメット入れて1時間電車に揺られて持参したわけです。

危険なのは乗る前からわかってるので、一応次の目的地まで5kmぐらいを慎重に乗ってみよう、ただしちょっとでも不安があったら即中止する前提で、そんな計画を立てていたわけですが、結局は・・・・

1分で放棄しました。風を感じて走る前に100メートルで終了させました。

危険なのは乗る前から分かってるので、・・・くどいのでこのへんでやめときますが、

やはり、ありえない。

タイヤが小径なので段差に弱いのは最初から分かってましたが、実際に乗ってみたら予想以上に路面の凹凸を拾ってガタつきます。自転車であれば何の問題もないような一見綺麗な舗装道路でさえ、「うおっ、やべえ」な振動が来ます。

ということはハッキリとした路面の荒れ、穴ぼこ、グレーチングやマンホールなどがあったらかなりヤバイので慎重に路面を注視して操作しなければならない。

しかし人間の目は同時に複数を見られるようにはできていないので、直近の路面を見てたら当然周囲の交通状況への注意はおろそかになります。そんな乗り物で時速20km出す? ありえねえ.........

しかも多くの人が指摘しているとおり、自転車と違って「頭から突っ込む事故」が起きやすい。死亡や重度障害を招く頭部外傷を引き起こす確率が高いでしょう。それなのに時速20kmまでノーヘルOK? マジありえねえ.........正気かよ、というレベルです。

あえて乱暴な言い方をしてます。それぐらい、危険だからやめろ、と全力で言いたいからです。

そのへんの話を分かりやすく書いてくれている方がいたのでシェアしときます。

「あーキックボードね、あれ車輪が小さくて、頭から行くからあぶねーんだよ、柔道の投げ技と一緒だから」

そうそうそう・・・これはもうあの構造を見れば「そりゃそうだよな」という種類の話で、(非電動のものも含めて)小径タイヤを使うキックボードという製品では避けようがない現象です。

ヘルメットかぶってたって気休めでしかないですよ。

でも、それを想像したことがない人にはわからないんだろうなあ......

私は結局100メートルで乗車をやめて、目的地までは電車で行きました。実はその途中で他の利用者が走っていくのを見かけました。おしゃれなタイトスカートをはいた女性が長髪を風になびかせながら颯爽と通り過ぎていきました。

そうか、あのスカートじゃ自転車は乗りづらいけどキックボードならいけるのか、そうか......

そんな発想で乗る人が増えたら危険すぎますね。もちろんノーヘル、ノーグローブでしたし。

事故というのは確率の問題ですから100時間問題なく乗れることもあれば1分で死ぬこともあり得ます。なんか便利なシェアモビリティができた! わーい! と喜んで手を出す前に次の動画でも見ておくとよいでしょう。

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