断水の注意書きを書き直す(4) 情報不足を補う
技術屋のためのドキュメント相談所・所長の開米です。
前回までで、「断水の注意書きを書き直す(1)」の内容を構造化して図に書くとこんなふうになりました。
単なる箇条書きのままよりも、こんな構造化をした後のほうが内容的に問題のある部分に気がつきやすいので、ここで
- 何から順番に書くかにはとことんこだわる。
- 注意には、理由も書いておくほうが記憶に残る。
という2点を意識して見直してみると・・・・
「トイレ以外の水を先に出してください」というなら、それを先に書いておくべきでしょう。
そして、こうして順番を変えてみると、「トイレ以外の水を先に出せって・・・どうして?」と気になってきませんか?
わざわざそう順番を指示している以上、何か理由があるのでしょうが、書かれていません。本来、ここは理由が必要なところです。「トイレの水を先に出すと、何か不都合が起きる」のであればそう書いておかなければいけないでしょう。
「理由」が必要なところはもう1つあって、「火気使用については、じゅうぶんご注意ください」とありますが、それ、水道関係ないんじゃ? と思いますね。なぜ、断水のお知らせの中で「火気使用の注意」があるのか、すぐには意味が分かりません。ちょっと考えれば、おそらく
- 小火が出ても水で消火することができない
- 火傷をしても流水で冷やすことができない
といった理由だろうとは想像がつきますが、この種のチラシを受け取ってそこまで考える人は少ないでしょう。ですので、
断水中は万一火事が発生した場合の初期消火や火傷の手当なども不自由になりますので、火気使用についてはじゅうぶんご注意ください
と、それらの理由を明記しておくほうが印象に残ります。
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