テレビがいっぱい
松下電器が東京・有明に『Eco&Ud HOUSE(イーユーハウス)』という施設を完成したというので、その内覧会に行ってきた。ファクター5を目指した2010年の新しい暮らしを体感できるモデルハウスだ。
ファクター5というのは、温暖化防止、資源の有効利用、特定化学物質の使用削減/廃止という3つの視点から製品群を評価する指標で、生活の質向上を環境への影響で除した値で表される。今回の想定では、2010年には1990年より生活が2倍豊かになり、環境への影響は0.4倍に抑制できるであろうということで、ファクター5(2/0.4=5)というわけだ。
モデルハウス内を30分ほどかけて説明を聞きながら駆け足で見学したわけだが、気になったのは、随所に置かれたディスプレイの数だ。大小含め、風呂場からリビング、寝室にキッチン、とにかく至るところにディスプレイがある。
ちなみにうちは、3LDKのマンション住まいだが、テレビ、パソコン用モニタ、ノートパソコンまで入れると、日常使っているものだけで13スクリーンがあった。携帯電話やポータブルプレーヤーなどは含まないで、この数だ。これは、少ない方なのか、多い方なのか。
今年の春、米・レドモンドで、マイクロソフト本社内のeHomeという施設を見せてもらっているのだが、その基盤となる構想には、あからさまなハードウェアとしてのディスプレイをできるだけ排除したいという思惑があり、コルクボードや鏡、テーブル、壁といった一般的な什器に映像を投影し、センサーとの組み合わせでオブジェクト指向の操作を可能にしていたのとは対象的だ。
イーユーハウスでは、さらに、いわゆる家庭内でのネットワークによるコンテンツ配信にもさほど執着していないようで、男の城と名付けられたホームシアターには、プロジェクタ投影による100インチスクリーンの前に、ディスクプレーヤーやビデオデッキが鎮座していた。そのあたりに、同社がハードウェアのメーカーであることを強く感じる。もう少しソリューション寄りであってもよかったんじゃないだろうか。
いろいろな意味でつっこみどころがたくさんあるイーユーハウスなのだが、アドバイザリー・カウンシルのようなものを作って、各業界からの意見を統合したら、かなりおもしろいものになると思う。お呼びがかかればすぐに参りますので…。