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一太郎2006のビジネスモデル

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 ジャストシステムが一太郎2006、花子2006、そしてATOK2006を発表した。発売は来年2月10日なので、まだ、ちょっと先の話ではあるが、それにしても、毎年バージョンアップというのは、これもまた、悪くないなと思うのだ。

 同社のワープロソフト『一太郎』は、『一太郎2004』からバージョンを年号で表すようになった。そして、それ以降、毎年バージョンアップすることを表明したのだ。現行バージョンは2005で、今日、発表されたのが2006である。でも、実際には、一太郎11が2001年2月、一太郎12が2002年2月、一太郎13が2003年2月と、2001年以降は毎年2月にきちんとバージョンアップが行われていたのだ。
 年号をバージョン番号に使う手法は、Windows 95、98、2000などでも有名だが、マイクロソフトはOSに関してはその方針をやめてしまった。理由はいろいろあるのだろうけど、Windows XPがもし、Windows 2001だったとして、毎日、パソコンを起動するたびに、その数字を見ることになるとすると、2年くらいならまだしも、3年以上がたっていると、かなりの古さを感じることになるだろう。だから、年号をやめたのは正解だったといえる。マイクロソフトは最初からこうなることがわかっていたんだろうか。
 冗談はさておき、ソフトウェアのイノベーションの区切りを待って新しいバージョンを提供するのではなく、毎年2月に向けて、着実に準備を整え、確実にバージョンアップするプランは、パッケージを脱却した、サブスクリプションに近いビジネスをやろうとしているようにも見える。
 もちろん、厳密なソフトウェアサブスクリプションではないので、バージョンアップせずに、旧バージョンを使い続けることはできる。そこは、セキュリティ対策ソフトなどとは性格が大きく異なる点だ。でも、ついつい、バージョンアップしたくなるような要素をうまく詰め込んでいる点はうまいと思う。何よりも、必ず年に一度ということで、その存在を忘れにくくすることに成功している。
 これからベータ版をインストールして中身を評価していこう。ぼくにとっても毎秋の恒例行事になってしまった。

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