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初音ミクの海外記事、キーワードはCreepy(キモい)、Holographic(ホログラフィ)、3D

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 昨夜、海外の初音ミクライブに関する記事に関して朝P、尻PとTwitterでやりとりをしていて、これはとりあえずまとめておく必要があるな、と思ったので、メモ的にまとめておきます。

 まずは、ちょっと前に書いたメモから。

 かつて日本の某レコーディング専門誌がVOCALOIDに冷たかったという話がありますが、海外のシンセサイトではどうなのか、調べてみました。

 iELECTRIBEやKORG DS-10、KORG Monotronなどのガジェット系楽器はやたら受けているんだけど、VOCALOIDが取り上げられている形跡がほとんどないのです。

 最近ではiPhoneやiPadの楽器アプリが頻繁に取り上げられており、Fingeristで演奏するぼくの動画を取り上げてもらうこともしばしば。ならばiVOCALOIDはすぐさま取り上げるだろうと思っていたんですが……。

 シンセサイザーの情報サイトとして有名なのはまず、ここ。Synthtopiaです。初音ミクライブの記事も取り上げていますが、どうもテンションがおかしい。そこでVOCALOIDをキーワードに検索してみました。すると……。

Vocaloid Big Al Makes Voice Synthesis Cheap, Still Creepy As Ever

Vocaloid Sonika Puts A Creepy Teen Virtual Vocalist At Your Fingertips

Virtual Vocalist Sings “Moon Tide”

Bizarre Voice Synthesis Version Of Pokemon Gym Theme

New Virtual Vocalist Is Creepy, But Cool

Vocaloid: Fake Computer Vocals

 何度も出てくるCreepyという言葉。あと、Bizarre、Fake。ポジティブな言葉はほぼタイトルに出てこないという状況。

 記事の内容はちゃんと解説しているっぽいのですが、タイトルがだいなし。

※ここからが本日執筆分。

 一方、この数日で急増している一般海外記事。Sigularity Hub、Huffington Postあたりが起点となって各誌で取り上げられています。こちらは別のキーワードが使われています。Creepyはちょっと少なくなっていて、代わりに入っているのがホログラフィ/ホログラム。

Google Newsによる「Hatsune Miku」関連記事

 記事タイトルの日本語訳と概要を列記してみましょう:

Latest pop star is untouchable(The Sun)最新のポップスターは「触れられない」
「なぜなら彼女はホログラムだから」英国で最も有名な大衆紙。アル・パチーノ出演の映画「S1m0ne」に似た状況だと指摘。ワールドイズマイン動画。「デーモン・アルバーンは同じようなことをGorillazでやっているが、あちらはスクリーンに投影しただけ。ミクはちゃんとした3Dホログラムだ」

Japanese 3D singing hologram Hatsune Miku becomes nation's strangest pop star(Daily Mail)日本の3Dホログラム歌手、初音ミクは日本で一番風変わりなポップスター
ワールドイズマインと愛言葉の動画。英国2大大衆紙の片方。あかつき署名運動にも触れている。「彼女はキュートでスタイリッシュでシングルチャートでナンバーワンにもなった。でもホログラムなのだ」「ミクはファンクラブ、Facebookページ、自分のレコードレーベルも持っていて、日本のアニメ番組にも多数出演している」「Gorillazは2004年に似たようなことをやっているが、こちらは完全な3Dだ」

Hatsune Miku: Japanese HOLOGRAPH Plays Sold Out Concerts; Science Fiction Comes To Life (VIDEO)(Huffington Post)初音ミク:日本のホログラフがプレイするコンサートがソールドアウトに:SFが現実に(動画)
同誌としては2本目の記事。ワールドイズマイン動画を紹介。「ライブミュージシャンにとっては最悪の予兆かもしれない」「ホログラフィックアイドルの初音ミクがアバターとなってライブバンドとツアーしている」「数千ものグロウスティックを持った観客がホログラフに対して絶叫する様はSF小説そのもの」

Holograph Sells Out Concert In Japan!(PerezHilton)ホログラフのコンサートが日本でソールドアウト
セレブニュースを扱うサイト。ワールドイズマインの動画を紹介して「本当に演奏をするパフォーマーは絶滅危惧種になるかもね」

Japan's holographic pop star(The Week)日本のホログラフィック・ポップスター
やはりワールドイズマイン動画。Huffington PostCNNGoの記事を引用しつつ構成。「3月には3Dホログラフ版ミクがツアーを開始した」

・Japanese Pop Star Draws Crowds Despite Being a Hologram(Escapist Magazine)日本のポップスター、ホログラムなのに観客を集める
記事ではS1m0neとの類似性を指摘。VOCALOIDの歴史やSweet Annの存在にも触れている。ミクライブのBlu-ray化だけでなく、アニメロライブにまで言及している。MikuMikuDanceについての取り上げているが、ライブの3Dはこれで作成したと誤解。ワールドイズマイン、ぽっぴっぽー、みくみく菌の動画を埋め込み。ネココスについて著者は「好みではない」と。

Holographic rock tour selling out in Japan(Mother Nature Network)ホログラフィックなロックツアーが日本でソールドアウト
日本ではコンサートツアーでホログラフィが使われるようになっているという誤解記事。これはHuffington Postのホログラフィってところをそのまま信用しているな……。「いつかLady GaGaがシカゴ、パリ、ロンドン、LAで同時にコンサートを開けるかもしれない」。動画はワールドイズマイン。

Robot actor and hologram pop star perform live from the future(CNET UK)ロボット女優とホログラム・ポップスターが未来からライブパフォーマンス
ジェミノイドFについて解説した後でミクライブについて触れている。動画は初音ミクの消失とワールドイズマイン。「Gorillazは大きなスクリーンで似たようなことをしているのが、サウンドは本物の人間の口から出ている」「対照的に、初音ミクはウィリアム・ギブスンの『あいどる』を想起させる。日本のホログラフィックポップアイドルがAIとなる話だ」

Amazing Holographic Concert Tour Selling Out In Japan(ecorazzi)驚異的なホログラフィック・コンサートツアーが日本でソールドアウト
エコの観点からホログラムを使ったツアーを見ている。「映像の品質はとてもとてもリアルだ。キモいほどリアルだ」。映像はこれもワールドイズマイン。

Miku the new sensation in Japan's pop music(ecPulse)ミクが日本のポップミュージックに新たなセンセーションを引き起こす
「彼女には人間のバックシンガーもついている」「このようにホログラムがステージで使われたのはこれが初めて」。動画はなし。

The World is Miku's(Telecoms News)世界はミクのもの
何光年分も進んでいる日本ならではのポップスターはホログラム。50600ものFacebookファン。あかつき署名にも言及。動画はワールドイズマイン

OMG! Hatsune Miko: Japanese popstar and... 3D animation!(Heatworld.com)オーマイガッ!初音ミコ:日本のポップスターで、3Dアニメーション!
初音ミコって誰だ? 動画はぽっぴっぽーとワールドイズマイン。3Dホログラムの実用化で「エルビスがステージに戻り、Take Thatが復活(ロビー・ウィリアムズは3Dで)、ジャン・ミッシェル・ジャールはそれこそ自由自在に演奏し、操作できる」という妄想も

Almost Live in Concert(RPGamer)ほとんどライブなコンサート
動画はワールドイズマイン。「初音ミクは今週、初めてのライブコンサートを開いた」「よけいな説明はこのくらいにして、この動画で日本の奇妙さを楽しんでほしい」

Japan Is Going Crazy For Holograms(Manolith)日本はホログラムに夢中
「日本は世界になんでも与えてきた。気違いじみたポップ、気違いじみたポルノグラフィ、そして、気違いじみたポップスター。狂ってるのは、そのポップスターが本物ではないということ。ホログラムなのだ」「日本中のスタジアムをソールドアウトにしてる」動画はワールドイズマイン。

 参考までに、引き合いに出されたGorillazのライブパフォーマンスがこれ:

 映画「S1M0NE」の予告編はこれかな:

 ウィリアム・ギブスン「あいどる」、Amazonのリンクはこちら。でも絶版なのね……。

 ホログラムの歌手としては、初音ミク以前に、ヴィック・フォンテーンという人がいました。Star Trek Deep Space 9のホロスイートに生きていた、ラスベガスに住むホログラム歌手です。戦場で片足を奪われ失意のノーグをなぐさめるエピソード「It's Only a Paper Moon」は秀逸。いいキャラクターでした。
エピソードのプレビュー

 彼の持ち歌はスタンダード。シナトラとも交流があったという設定ですが、このあたりをミク、ルカが歌うことでトレッキーの心をわしづかみにできませんかね(笑)

関連記事:
【初音ミク】突然海外で紹介されはじめた初音ミクと感謝祭の記事【まとめてみた】

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