機材!
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「たくろく!」第2回「機材!」
「初音ミク」を買おうと思ったぼく、藤堂“蘭”紅蓮だが、機材をそろえるための金がないことに気付いた。初音ミクはとりあえずお小遣いで買えることが分かったんだが、よく調べたら、ぼくが持ってるパソコン「MacBook」じゃ動かないらしい。
宅録部のほかの部員に相談したら、「じゃあ、やっぱりWindowsマシンにするしかないんじゃね?」といって、みんなで余ったパーツを持ち寄って、「マシンを組み立てるべ」ということになった。
古いマザーボードは作詞家の新畑ピートが、CeleronのCPUはアレンジャーの真陳譲治が、マルチプレーヤーの古畑マイクは、ケースとハードディスクを持ち寄ってくれた。でも、Windowsはない。
「Windowsを買うためにバイトしなきゃかな」
そしたら、真陳譲治がこんな情報を持ってきてくれた。
「Macでも初音ミクは動くらしいぜ」
彼に送ってもらったMikuInstallerというソフトを使うと、無事に初音ミクをぼくのMacBookにインストールすることができた。初音ミクはメロディーと歌詞を入れると自由に歌ってくれる、自分のための歌手なのだ。
うれしくなって、その日は初音ミクのパッケージを布団に入れて寝てしまったくらいだ。
翌日、部室に行くと、「はやくミクの歌を聞かせてくれ」という。「カエルのうた」をきかせるとちょっとがっかりしたようだったが、まだこのくらいしかできないんだ。あとは練習するしかない。
ぼくらの宅録ライフはまだ始まったばかりだ。
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