オルタナティブ・ブログ > CloseBox & OpenPod >

Mac、iPhone、iPod、歌声合成、DTM、楽器、各種ガジェット、メディアなどの情報・雑感などなど

VocaListener(ぼかりす)で「歌がうまいボカロ使い」が台頭する

»

 ITmedia Newsねとらぼの後追いで出されたJ-CASTの記事で、産総研広報が認めたと書かれていました。

「ニコニコ」の「初音ミク歌声」 「神の領域に」とネット騒然

 J-CASTの「音や言葉を、プログラム上の五線紙に打ち込み」という説明には、ピアノロールは「五線紙じゃないよなあ」と思いますが、その後、正式な発表(が5月28日以降になるというお知らせ)が行なわれたのは結果的によかったですね。すっきりして。

 これが公式ページになるもよう。

VocaListener: ユーザ歌唱を真似る歌声合成パラメータを自動推定するシステム

なお本技術は、より多くの方々が、より容易に歌声合成技術を使って楽曲制作を楽しめることを意図したものです。現在多くの方々が歌声合成技術を用いて優れた楽曲を生み出している状況を支援することは望んでいても、阻害することは意図していません。科学技術の発展と文化の発展のために、本技術をどのように世の中に出していくのが望ましいか、熟慮しながら今後の展開を進めていきますのでどうぞよろしくお願い致します。

 手作業でリアルなボーカルを作り出しているボカロ使いたちを思いやり、「自動技術」に対する一部からの反発を考慮した、ていねいな文面ですね。

 この技術の実装と配布方法がどうなるのか、気になるところです。「熟慮しながら」とありますが、じらされたユーザーたちは、はやいところ使ってみたいでしょうしね。

で、VocaListenerはなにをやってくれるの?

 VocaListenerでどんなことが可能になるかということについては、突き詰めていくと、「初音ミクに挑戦してみる。」さんで書かれているように、オリジナル楽曲から音声を抽出してそれをVOCALOID化し、演奏部分はまた別にアレンジを変えてくっつけ、別の演奏者による、著作隣接権からフリーな楽曲ができあがる、ということになりそうです。

 ただ、著作権の仕組みを根底からくつがえすようなことをするとも思えず、「より多くの方々が、より容易に歌声合成技術を使って楽曲制作を楽しめることを意図したもの」とあるので、実際にはこんなことではないでしょうか:

 DAWソフトで入力をするとき、キーボードプレーヤーが圧倒的に有利です。ソフトシンセにしろ、ドラムの打ち込みにしろ、キーボードを使ってリアルタイムで手弾きして、それをDAW上で微調整するというやり方は、いちいちピアノロールや五線譜に音符を置いておく方式よりもはるかに短時間で作業できます。ギタリストでも、入力はMIDIキーボードを使っているはずです。

 VOCALOIDにおいては、VSTiやReWireを使ってリアルタイム入力して、それをエディットするのが効率がよさそうです。手弾きがうまい人たちはそうしてるみたいですし。

 実際に演奏ができるわけだから、そのメリットは享受して当然といえます。

 でも、歌がうまいボカロ使いはどうなのか? 自分の節回しや表現をそのままVOCALOID Editorに放り込めたらどんなに楽か、と思うことはあると思います。手弾きなら簡単なのに、わざわざピアノロールで手でノートを置いたり数値入力したりはしないでしょう? それと同じことです。

 たとえば、この決めの部分は自分のうたいかたを入力したい。でも、そのためには自分の声を解析して、テンポやビブラートや抑揚、ピッチ調整をしなくてはいけない。

 VocaListenerの意図は、この部分を簡単にするということではないでしょうか?

 「歌えるボカロ使い」は、自分の歌唱パターンを要所要所で適用できる。それだけで「ものすごく便利」ですよね。

 たぶん、多少ノイズのあるところでも音声パターンを抽出できるようなことは、「後藤チーム」のこれまでの研究を生かせば可能でしょうから、PCのマイクから拾った自分のボーカルを、初音ミクにあてはめて、おかしいところをエディットしたり、クォンタイズかけたり、そういうことができるとしたら……。

 ある程度、歌がうたえるボカロ使いはほしくなるような技術なんでしょうね。細かいエディットのための時間も作れるわけだし。

 タブレットを使ったような細かいエディットは、完成度を上げるためには必要だと思います。だから、これまでのノウハウも生きて、時間も短縮できる。

 昔は数値入力至上主義みたいなものがあったし、わたしがDTMを始めたとき(CMU-800とMZ-80K2Eで)にはそもそも数値入力しかなかったけど、キーボードで手弾きしてそれをクォンタイズするという方法が速いということがわかったら急速にそういう意見は少なくなりました。

 同じような「入力革命」が、VocaListenerでおきると面白いなあ、と考えてます。

追記:人生は是勉学の事「中野さん-後藤さんのコメント」を読みました。この中に、中野氏の研究「Voice Drummer:口ドラムでドラムを叩く楽譜入力インタフェース」が紹介されてます。これは、キーボードプレーヤーがドラム入力をキーボードでやるように、ヒューマンビートボックスできるボーカリストはこのソフトでドラム入力ができるわけですね(笑) いやしかし、すごい技術です。これも公開してほしいなあ。

Comment(0)

コメント

コメントを投稿する